論評「さがみ人間未来フィルムフェスティバル」(2)
今回の特集は、ドキュメンタリー映画についてです。ドキュメンタリー映画とはなにか。それは劇映画や商業映画とはどのように違うのか。逆にドキュメンタリー映画の醍醐味は何かなどについて、「MIZUTAMA」編集部の最も身近にあるドキュメンタリー映画祭「さがみ人間未来フイルムフェスティバル」を取材してお贈りしたいと思います。
二つめの作品は「無名碑・MONUMENT」(監督 撮影:村上浩康)で、この映画をみてつくづくと村上監督はどうしていつも、こういう市井の中で生きる人生の達人たちを引き寄せるのかと思った。
高松池の証言者たち
岩手県盛岡市にある高松池の桜祭りが舞台で、桜祭りと池を巡って様々な人たちが高松池と歴史を証言していく。池の成り立ちからその歴史的経緯を池のそばに住む自治会長の長老が語り、池を管理してきた市長の孫や、果てには桜ソムリエと名乗る中年紳士も、毎年飛来する白鳥に餌をやりつづけるおじさんも、そこには池を媒介にして不連続に連続する人間の暮らしと生きざまが語られる。どの人もが雄弁である。
風変わりな人
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