自分の花を咲かせる
人は昔、天からその人だけの真実を授かってこの世に生まれてくる。
その真実を発揮してこそ、全ての人に課せられた使命である。
自分の花を咲かせるとは、この天真を発揮して生きることに他ならない。
昔、オリンポスの神々が集まり、「幸せになる秘訣を何処に隠したら、人間がそれを見つけた時に最も感謝するか」を話し合った。
「高い山の方が良い」「いや、深い海の底だ」と議論百出。すると一人の神が「人間の心の奥深いところに隠すのが一番だ」と言い全員の神が賛成した。
幸せの秘訣は人間の奥深くにある。
自分の花を咲かせる秘訣は心の中にある。
だが、心の奥深く隠されているが故に、秘訣に気づかぬままに人生を終える人も少なくない。
どうすればその秘訣に気づき、自分の花を咲かせることが出来るのか。
まず、自らの命に目覚めること。
自分がここにいるのは両親がいたからであり、その両親にもそれぞれ両親があり、それが連綿と続いていま自分はここにいる。
どこかで組み合わせが変わっていたら、あるいは途絶えていたら、自分はここにはいない。
自分の命は自分のものではない。
すべて与えられたものだ。
その自覚こそ、自分の花を咲かせる土壌になる。
次に大切なのは「一つ事」を見つけること。
この一事をもって人生に立っていく。
あるいはいま携わっている仕事をもって自分の一つ事にする。そう決意することである。
第三に大切な事は、その一つ事に本気になること。
「本気になると世界が変わってくる/自分が変わってくる/変わってこなかったら/まだ本気になっていない/本気な恋/本気な仕事/ああ/人間一度/こいつを/つかまんことには」―坂村真民
「なんでもいいからさ/本気でやってごらん/本気でやれば/たのしいから/本気でやれば/つかれないから/つかれても/つかれが/さわやかだから」―相田みつを
「プロというのは寝ても覚めても仕事のことを考えている。そこがアマチュアとの絶対差」
―相田みつを
「一に求道 二に求道 三に求道 四に求道 死ぬまで求道」―坂村真民
この覚悟と実践なしに自分の花を咲かせることはできない。
「風雪に耐えただけ土の中に根が張るんだな」―相田みつを
「苦がその人を鍛え上げる 磨きあげる 本物にする」―坂村真民
―――― 致知出版社「致知」2014年7月号11Pより抜粋 ――――
子ども達にサッカーを通じて「人生の自分の花を咲かせる」ことに少しでも関われているだろうか。
本気で自分がグランドに立っているであろうか。
まやかしな気持ちで関わっていないだろうか。
花を咲かせる土であり、花を咲かせる水となる。
それは自身の花を咲かせることでもある。
本気とは何か。
自分の心の奥底を引っ張り出して子ども達と向き合って生きて行くこと。
サッカーは楽しい。
本当のサッカーの楽しさを子ども達に伝えていく。
テクニックや戦術は全選手に教える事ができる。
本当のサッカーの楽しさを伝えることは心と心でお互いが繋がらなければならない。
そこさえ伝えられれば、大人になっても人生を豊かにしてくれる。
そう確信している。
ひとりでも多くの子ども達に伝えていけるように。
自分自身が本気でサッカーを楽しんでいこう。
心の奥底を大切にして。