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誰も教えてくれない、社会起業家を目指すとき本当に気を付けておきたいこと

こんにちは。方角という会社の代表をしています方山と申します。

株式会社方角は、企業の社会貢献系プロジェクトをクリエイティブで支援する会社で、例えば大手企業さんのCSR活動の企画を具体化したり、上場を見据えているスタートアップのブランディングをしたりしています。
自社でも聴覚障害者のためのサービスを作ったりしており、その件でメディアに取り上げていただくことがあるので、社会起業家と名乗っています。

約3年間そのような立ち位置で活動してきて、数々の失敗もしてきました。
ソーシャルビジネスや社会起業家のことを聞くことが年々増え、若い人でそのような起業の仕方をしたい人が増えていると聞いたので、自戒も込めてこの記事を書くことにしました。
よければぜひ最後までお付き合いください。

※このnoteはDE&Iをテーマに扱ったソーシャルビジネスをやった私の体験談なので、それ以外のソーシャルビジネスとは少し温度感が違うかもしれません。

社会起業家になったきっかけ

そもそものきっかけについて説明します。
方角という会社は2021年1月に設立された会社です。当初はフリーランスデザイナーだった私がなんとなく作った会社でした。設立から半年後、エキマトペという駅の音を視覚化するプロジェクトに携わったことがきっかけで、社会課題解決のデザイン制作や映像制作、企画をすることが増えました。
最初から社会起業家になりたいと思ったわけではなくて、流れに乗っていたらこうなっていました。なので3年ぐらい前までは、正直、障害者とか多様性とか、本当に興味が全くありませんでした。プロジェクトに携わるようになって自然と知って行ったという感じです。
福祉的な精神で最初からやってないので、もしかしたらこの記事は想像よりドライで幻滅させるかもしれません。すみません。

社会起業家を目指すとき本当に気を付けておきたいこと

求人がやたら来がち

スタートアップやベンチャーは求人に苦しむと言いますが、弊社はありがたいことに求人に悩んだことはあまりありません。会社の方向性に共感してくださる方からの応募が集まりやすいです。
しかし「自分には何ができるかわかりませんが、なにかお手伝いできないでしょうか?」的な、ファンの延長線上で、なりふり構わずとっさに送りましたみたいな連絡が多いのも事実です。
会社のファンになってくれるのは嬉しいことですが、「ところであなたは弊社で何ができますか?」と単純に聞いてみたくなります。通常の会社では「何ができるかわからないけどお手伝いしたい」という気持ちで応募をしてくる人はあまりいませんよね。そこは結構大きな違いなのかなと思います。

応援してもらいやすいが、本来の評価なのか見えづらい

大体この手のビジネスは「なんか社会にインパクトを残していてかっこいい」と見えがちで、こういうことしてますと言うと大体「いいね!」と言ってもらいやすいし、賞レースに出るもんなら割といい線まで行きやすいです。しかしそれは本来のビジネスとして評価されていないケースも多いのかなと思います。本当はビジネスとしてサービスとして微妙なのに単純に社会貢献的なことをやってる人ってかっこよく見えやすくて、その評価をそのまま受け止めてしまう社会起業家は多いんじゃないかと思います。

自分が世間に求められていると思いがち

上記の理由でいいねいいねと言ってもらえる回数が増えますし、この手のソーシャルビジネスは登壇の依頼、テレビや新聞やマスメディアに取り上げていただくことが多いです(割とみんなそう)。しかしテレビや新聞に取り上げられたからと言って、私たちのような小さい事業者に何か大きく影響することは経験上あまりありません。マスコミの掲載量に対しての発注の少なさに愕然とすることもありました。あまり期待せず、地道に営業活動をするのみだなと今は思います。
ただ私は決してマスコミの取材を否定しているわけではなく、むしろオファーがあれば積極的に出ています。理由は、記者の方に自分の事業の説明を端的にするのは自分の頭を整理する上で非常に重要だと思っているからです。マスコミの方は記事のネタができるし、こちらはさまざまな質問に答えることで事業の整理ができる。WinWinな関係になれるのかなと思っています。

ピボットしづらい

他のサービスにも言えることだとは思いますが、一度始めるとどんなに収益化しなくても辞めることは非常に難しいです。特にDE&Iやマイノリティ向けのサービスは、その先のユーザーのことを考えると心理的にも負担が大きくなるのではないでしょうか。規模が小さくても持続可能に進めることが大事なのかなと思います。

勝手に聖人化される

ソーシャルビジネスをしているとなぜかちゃんとした人みたいに見えるようで「方山さんが言うならきっとそうだ!」みたいに盲信してくる人もいたりして、そんなに私に期待しすぎないでほしいな・・・と思うこともあります。一緒に働いてみて「こんな感じの人だと思いませんでした」と言われたこともあります。一緒にいると少しずつ減点されてる感じがしてちょっと切ないですね。

それでもやっていく

色々と何を自意識過剰なことを言っているんだと思われそうですが、これらは私のソーシャルビジネス仲間も割と似たようなことを言っていました。
要は、社会起業家って、注目度が高いので、簡単に芸能人みたいになれてしまうちょっと危ない職業なんですよね。しかもそのことについて周りは誰も突っ込んでくれなくて、「いいねいいね」「新聞見たよすごいね」などとポジティブなことしか言ってきません。元芸能人などテレビに出ていた人ならまだしも、スポットライトを一度も浴びたことがない人がこういう立ち位置になると場合によっては非常に危険なのではと思います。

でも社会起業家を目指す皆さん、社会起業家の皆さん、今やってることを諦めたくないですよね。お互い堅実にビジネスを頑張りましょう。


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