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日本語は南方系と北方系のハイブリッド

日本語の起源は、言語学上の論点のひとつです。いまのところ、日本語は孤立した言語のひとつと考えられ、その系統については諸説ありますが、定説はありません。

言語のルーツを探す場合、比較言語学(comparative linguistics)というアプローチがあります。比較言語学は、歴史言語学の一分野であり、親縁関係や同系性が推定される諸言語を比較することにより、同系性や親縁性を見出したり、あるいは共通祖語そごを再構する学問です。

祖語とは、共通の歴史言語学的祖先を持つ諸言語に対する、その共通の祖先言語です。インド・ヨーロッパ祖語は、インド・ヨーロッパ語族の諸言語に共通の祖先として理論的に構築された仮説上の言語で、印欧祖語いんおうそごとも称されます。日本語の場合は、日琉祖語にちりゅうそごと呼ばれる日本語と琉球語の祖語まで遡ることができると考えられています。

確かに、共通祖先があるという考え方は理解できるのですが、”祖語はひとつ”とする考え方に疑問を感じます。同系統の印欧語ならそれでも良いのかもしれませんが、文法が印欧祖語と大きく異なる日本語などでは、”ルーツがひとつ”というのは当て嵌まらないのかもしれません。

面白い話を聞きました。日本語の単語は南方系(ポリネシア語)で、文法は北方系(モンゴル語、トルコ語、朝鮮語)なのだそうです。北方系の文法で、南方系の単語を話す。これが日本語のルーツとなる古い時代の縄文語の姿らしいのです。現代の日本で類似の例を挙げると、”やたら外来の片仮名語を使う意識高い系”に似ています。

比較言語学はヨーロッパ経由の学問ですから”ルーツは一つ”とする考えが主流なのでしょうが、パラダイムを少しだけシフトして、”ルーツは単数または複数”としても良いのではないかと思います。そうすれば、様々な組み合わせの可能性が出てくると思います。

ルーツやパラダイムなどの外来語を使いたがる傾向は、古くからの日本人の傾向(性向)なのかもしれません。

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