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連想英単語#4 『楽観』と『悲観』
楽観と悲観を対比させた有名なお話があります。靴の販売会社が、ある地域にAさんとBさんの二人の販売員を派遣します。二人の販売員は、その地域の現状に驚いて、上司に連絡します。Aさんは「ここは駄目です。誰も靴を履いていません」と言います。それに対してBさんは「喜んで下さい。ここではまだ誰も靴を履いていません」。
同じ”靴を履いていない状態”を見ても、「靴が全く売れそうにない」と思ったり、「靴が大量に売れそうだ」と思ったりします。前者が悲観で、後者が楽観です。心理学的には、どちらも大きな正と負のバイアス(偏り)がかかっている状態で、認知のゆがみと呼ばれています。
今回の主役は楽観と悲観です。”楽観的な”は英語でoptimisticと言います。この語源はラテン語のoptimus(最善)です。ラテン語のoptは元々は目を表わしていて、その関連から光も表すようになりました。optimusは、光(opt)+最上級(imus)で、光あふれた最高の状態(最善)を表わしています。optimisticに関連した単語は、次の通りたくさんあります。
optimal(最善の)、optimism(楽観主義)、optimist(楽観主義者)、
optimization(最適化)、optimize(最適化する)、optimum(最適な)
”楽観的な”の対義語である”悲観的な”はpessimisticで、その語源はラテン語のpessimus(最悪)です。悲観は、”目”ではなく”足”と関係しています。前回は『足』についての連想英単語の記事を書きましたが、pesはped(足)と同じで、この場合は”つまずく/落ちる”の意味で使われています。つまり、”最高につまずいた状態”がpessimusです。悲観の方は類義語が少なく、pessimist(悲観主義者)くらいしかありません。
この記事を書いていて、楽観も悲観も、その語源に体の一部が関連しているのが面白いと思いました。ただし日々の生活では、楽観でも悲観でもなく、事実を事実として受け取めるrealisticが良いのかも?、と思いました。