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ゲシュタルトとレゾンデートル

心理学用語には、意味が分からないけどカッコいい音の響きの専門用語があります。ドイツ語のゲシュタルト(Gestalt;形態)やフランス語のレゾンデートル(raison d'être;存在意義/存在理由)などがその例です。ただし、これらの言葉は聞いたことはありますが、人生で一度も会話の中で使ったことがありません。

レゾンデートルの用例は以下の通りです。「A社のレゾンデートルは、社会への価値を生み出し続けることにあると考えられている」。レゾンデートルは、”存在意義”と日本語に変換すれば、それほど難しい用語ではありません。ゲシュタルトは単独の言葉として使われることは少なく、ゲシュタルト心理学やゲシュタルト崩壊などのように、別の単語と組み合わせて使われます。ここまで書いてきましたが、ゲシュタルトの意味を正しく理解しているわけではありません。

ゲシュタルト心理学は、心理学の一学派で、形態心理学とも言います。ゲシュタルト(形態)とは、一つの図形のように個々の要素がまとまったものを指します。ゲシュタルト心理学では、精神や意識をゲシュタルトとして考える心理学になります。「木を見て森を見ず」という慣用句がありますが、ゲシュタルト心理学は個々の木ではなく、総体としての森を考えます。

ゲシュタルト崩壊は、知覚における不思議な現象のひとつで、全体性を持ったまとまりのある構造(ゲシュタルト)から全体性が失われてしまい、個々の構成部分がバラバラに切り離されて認識されてしまう現象のことです。ゲシュタルト崩壊の一例として、ネット記事などで”文字のゲシュタルト崩壊”が説明されています。同じ漢字を見続けると、ほぼ50%の確率で漢字がバラバラになったように知覚されるそうです。

ちなみに借・多・野・今・傷などの漢字が、ゲシュタルト崩壊しやすいとのことでしたが、ずっと眺めてみましたが”バラバラに感じる”ことはありませんでした。ゲシュタルト崩壊は、イマイチ理解できません。

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