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№236 10円の駄菓子


10円のお菓子を大人になると、
なかなか買うことはありません。

でも、やはりレジ横に置かれている
あの駄菓子っぽいものは、
決してなくなってほしくない存在です。

あれらのお菓子というのは、
子どもが少ないお小遣いの中で悩みに悩んで、
1個か2個手にするもの。

たいていの子どもは、
そこで初めてお金の価値を知り、
その使い方を学びます。

さらに、10円のお菓子は、
作っている側からすれば
そこから利益を生み出すのはとても大変で、
苦労の多いことでしょうね。

そんな単価の小さな商品を、
真面目に作っている会社があるということも
忘れてはいけないし、
世の中の仕組みとして大切にしたい。

ある意味で文化的ですらあると思うのです。

10円のお菓子は、
ネットの世界で生き残っていくのは難しい存在です。

10円のために数百円の送料が必要になるという、
一種の逆転状態になってしまいます。

もはや、いつしか消えてしまうものなのかもしれません。

何より残念なのは、
10円という価値の買いものができなくなってしまうこと、こういうコツコツとした営みを続ける会社の商いが
今後、なくなってしまう世の中になってしまう可能性が大いにあることです。

社会から、
10円のお菓子が本当になくなってしまったとき、
世間は
「残念だなあ」と口をそろえるでしょう。

実際にボクが、
「10円のお菓子っていいよね」というと、
多くの人が「すごくいいね」「かわいいよね」
と賛成します。

でも彼らはきっと、大人になってから
10円の駄菓子なんて買ったことはないはずです。

「いいなぁ」と思うものは、買わなければいけない。

支えなければいけない。

支えてもいなかったのに、
自分の景色からそれが消えてしまったからといって
残念がるのは、大きく矛盾する気がしています。

現場からは以上でーす。

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