見出し画像

コアキーパーをプレイした

しばらくハマっているゲームがなくて、うまくハマれそうなゲームを探していた。ゲームにハマっていない期間にはゲーム以外のことをやってればいいのだが、ゲーム以外に本質的な充実を知らないタイプの人間なので、ゲームを探すのをやめることができない。

こういう期間が続くと、より「ゲーム引力の強さ」みたいなものが強いゲームを求めるようになっていく。一度攻略して終わるゲームやサクッとクリアできるゲームではなく、永遠にちくちくといじり続けられるようなゲームを希求するようになる。

たとえばマインクラフトとか、テラリアとか、ドラゴンクエストビルダーズみたいなタイプのゲーム。そういうゲームを探し続けていた。それでコアキーパーをみつけた。

2D見下ろし型のサンドボックスゲー

コアキーパーはマインクラフトやテラリアのような、いわゆるサンドボックスゲームだ。マインクラフトが3D、テラリアが2D(横視点)なのに対して、コアキーパーは2D(見下ろし視点)のゲームで、昔のドラクエやFFのようなビューになっている。マイクラやテラリアと比べるとこの視点の方が部屋の整理が直感的で、シンプルにやれる。屋根のことを考えなくていいから。

ゲームが始まると主人公が謎のオブジェクト(コア)の前に転送されるところから話が始まる。元の場所に戻るという目的が設定され、そのためにマップのボスを端から倒していくという手段が提示される。一貫してこのシンプルな目的を追いかけていくので「俺はなんのために……この部屋をきれいに整理整頓しているんだろう……」みたいな虚無感を抱きにくい。また、すこし間があいても「今なにやってるんだっけ……」になりにくい。

アイテムの保管庫を整備したり食料をクラフトしたりしつつ、ボスを探す。で、レベルを上げたり装備を整えたりしてボスを倒す。アイテムや作れるものが増える。この繰り返し。サンドボックスゲームの醍醐味である、自動化設備なども作れる。

だんだん物が増えていく部屋

購入前に眺めていたところ、最初にジョブの選択があるのと、複数人でのマルチプレイがありそうだったので、担当ロールごとに畑を耕したり戦ったりするような内容かと思ったのだが、蓋を開けてみたら特に選択したジョブに強い制約はなく、難易度も全然ソロプレイで進めていける内容だった。それならそれで全然いい。

ハロウィン期間は専用モンスターが出てきた

バトル主体のMMORPGっぽいバランス

類似ゲームと比較すると、まずマイクラよりもバトル要素が強い。僕はあのマイクラの「目的はないから好きに遊ぶといいよ」というのが大層苦手でハマることができなかった。明確な目的とルールがあり、課題が設定され、トライに対する成否がはっきりしたゲームを好む。きっと受験教育の弊害だろう。なので、マイクラやらレゴブロックやらの答えがないタイプの遊びはひどく脅迫的に感じられてしまう。自分の物差しや価値基準のなさ、自立性がなく他者と相対的にしか自分のことを判断できない人間であることを指摘され続けているような息苦しい気分になってくる。楽しもうとすればするほど、そういうゲームを楽しみ、創造性を発揮している人々に対する羨望の念が渦を巻き、自分はなんて深みのない人間なんだろうかという気分になってくる。

次の目的を指示してくれるコア

その点テラリアはバトル要素が強く、ボスを倒して前に進んでいる感があった。ただボスの場所や戦闘開始条件が普通にプレイしているとわかりにくく、いちいち Web の攻略情報を調べないと前に進めにくかった。まぁ今時そんなゲーム多いし、調べながらやればいいんだけど、これはこれで参考書を読みながら試験対策をしているような気がしてくる(受験戦争が産んだ悲しいモンスターだから)

コアキーパーはこのあたりのバランスがちょうどよく感じられた。まずゲーム開始時点では探索できるエリアが制限されていて、三体のボスを倒さないと一定の距離以上に探索を進めることができない。それで三体のボスを倒す過程である程度操作やシステムを覚えられるし、大幅にレベルが違うエリアに初っ端から迷い込むことがない。このFF3の浮遊大陸、あるいはブレワイの始まりの大地システムはシステムとしても世界観の表現としても優秀だ。

新しいエリアが開放されるとコアがどこに行くべきかを指示してくれるし、あまりにもエリアのボスが見つからなければ各エリアで拾ったアイテムを一定数使うとボスの場所を教えてくれるスキャナを制作できる(いわゆるガチャの天井のように、一定量の努力を超えてハマりこむことがないようになっている)

世界の端を探索する楽しさあり

マルチプレイは試していないが、好き勝手にフィールドを動き回って、全然歯が立たない敵に倒されて「あぁここはまだ先のエリアなんだ」と思ったり、何度もボスをリスポンさせてレアドロップを稼いだり、うっかり迷い込んだダンジョンでたまたま拾ったメチャ強い武器に大喜びしたり、一昔前のMMORPGを感じられるデザインになっている。

食料の生産や自動化、アイテム整理なども、基本的には「次のボスを倒す」ためのリソース管理の手段としての目的があり、ただ部屋を好きにつくろうと言われるよりも取っ掛かりがあってやりやすいし、ドット絵が細やかで適当に物を置いていくだけで賑やかになっていく。

作業が楽しいゲームはいいゲームだ

現実の仕事がなかなか前に進まない、あるいは管理仕事が多く計画ばかりで自分で具体的な作業をして前に進めることができない(歳をとるとそういうことが増えてくる)ような時に、こういう単純作業が楽しめて、かつ作業効率を上げることがそのままゲーム内の価値に転換されるタイプのゲームは代償行為としてフラストレーションを解消してくれる。逆に仕事で単純作業ばかり大量にやらされた日にはゲームの中でまでやろうとは思わないけど……

楽しいアイテム整理

しかしハマれるゲームを探していたものの、夜寝れなくなるぐらいハマったらハマったでそれはそれで生活のリズムが崩れて困るんだけど、じゃあ俺はいったいなにを望んでハマれるゲームを探していたんだ?

いいなと思ったら応援しよう!