#122 10代の思春期男子の恥じらい

外食行くことが決まった時はワクワクするが、地元の飲食店だと「あー、今日は𓏸𓏸(飲食店名)かあー。」と若干冷めていた。

地元の飲食店で言うと、朝鮮飯店という群馬県民なら誰でも知っているであろう焼肉・中華料理店やおおぎやラーメンはスタメンに入るくらい外食エリアにあった。
その外食エリアは頻繁に同級生が来ることを把握していたが、そこで家族の外食の場を断るとただでさえ親から人見知りである事を認知されているのにも関わらず、他の親との三者面談や運動会、音楽会などの行事の場で会った時の話の種にされる事を危惧してやむを得なし家族と同伴していた

行くとなれば、なるたけ小中の地元の同級生に見つからないようにカウンター席ではなく、テーブル席の1番窓側に座り窓の外を眺めて気を沈めるという奇行?に走っていた
中学生のある時、自分からしたら陽キャという言葉で片付けていいのかと言うくらいのクラスで明るく、学年で一軍の同級生のサッカー部3人組でおおぎやラーメンに来ていて、自分は察知するのだけは毎度早くて、自分だけが気づいている状態。その3人はカウンター席に横並びになってラーメンを注文するという「これじゃ、まだまだ退かない感じだな。」と思いながらも自分と父母と祖父母と妹の家族6人でテーブル席に座る。
幸いな事にそのサッカー部3人組は自分たち家族に対して背を向けて座りながら談笑していたので、一応窓付近に座るも窓をじっと眺める事無く安堵しながら、注文した味噌バタコーンラーメンを待っていた。
ラーメンが来る前に、用を足してからガッツリ食べようと思い、トイレから出てくるタイミングでちょうどラーメンを食べ終わり、会計を行う所で見つかってしまった。話しかけられたらある程度の返事はさすがに出来る人間なので、「よおー!」と軽い感じで声を掛けられたら、自分なりに「いっス〜!」とスカす感じでなんとなくの挨拶をして事なきを得たのだが、そこからいつなんどき緊急事態があってもいいように家族で外食に行く時は財布は二の次に家族で地元の外食に行く時はリュックは車内に置いていくが、帽子だけは深く被って同級生にバレないような格好で事なきを得ていた

朝鮮飯店においては、完全個室形式の店だった為、局所的なばったり会合の可能性でかなりリスクが低下していた為に安心していたが、高校生に入ると地元でバイトをする人が増えてきて、朝鮮飯店のウェイトレスとして働き始める。2回目3回目であれば、傾向と対策の打ちようがあるのだが、初見プレイでその飲食店に入った時はまさに自分にとっては地獄だった
高校生になり、スマホを横目に外部の音を遮断する為にイヤホンをして、音楽を聴きながら軽くリズムに乗っていたら、同級生のウェイトレスが注文確認に来る。外部の音が聴こえていない自分はサビになると、口ずさんだりなんかしている所に初見プレイのボロが出てしまうことに。帽子で顔を隠すことも無く、手前に座っていたので、もちろん自分という認識はしていたはずである。
しかし、自分が危惧していた事がそれ以上にあり、高校まで視力は良く、メガネをして来なかった。その為にそのウェイトレスの同級生からしたら、「え?なんでメガネかけてんの?メガネなかったらアイツにそっくりだけど、アイツ(当時の僕)の妹は100%顔は一致いるのに……。って事はもしかしてアイツは……。」と思われていたんじゃないかと思うと、メガネしている自分がすべっている感じがして物凄く恥ずかしくなり、それから朝鮮飯店で注文する時は必ず注文ベルを鳴らしたタイミングで「ちょっとトイレに行ってくる。」という文言の元、手を洗う目的と並行して、少し気を散らせるの時間潰しをしていた。

それくらい、同級生と地元の飲食店でバッタリ遭遇する事に対して嫌悪感を抱いていた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?