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娘のこと

認知症の先輩が教えてくれたこと(NHKスペシャル9月26日放送)より。

普通の人よりか、認知症の患者さんの方がものすごく敏感ですよ。だから1言っても我々が1に感じる事でも、認知症の人は3も、4にも感じますから。ということは、我々が言う言葉が非常に大事になってくるわけですね。介護するんだったら。だから反省しているんですよ

認知症の人への対応と精神の病の人への対応は通じるところがある。病気のせいで苦手なことはあるけれど、感情は元のまま、性格や人柄は、変わらない。誰に対してもそうなのだけど、尊敬の念をもって、接することが大事だと思う。

いま、反省するのは、娘といっしょに暮していたころ、もっと対応の仕方を勉強していたら、いまとは違った関係になっていただろうと思う。ある時は腫れ物に触るように接し、ある時はこころの底でイライラしながら接していた。感受性が人の何倍もあるあの子は、私の言葉に感情を振り回されていたのかな。私はあの子に振り回される毎日に疲れ果てていたけれど。

でも、こうして離れて暮らしてみると、いまは娘を心底、尊敬している。あれだけ親に依存して生きていた子が、自ら親から離れて生きる勇気。医療や福祉の支援を受けながら、いまも生きている。

あの頃苦しかったよね、わかってあげられなくてごめんね。今も相変わらずつらいこと苦しいことあるやろね、でも、生きてるだけでりっぱです!

病の当事者の中には、医療や福祉の支援を拒否する気持ちの強い人が時々いる。うちの娘の場合、そのハードルが低かった。それは、あの子が持っている元々の良い性格だったのかな。もしかして、私がよっぽど頼りにならない母親だったからかな。。。いま言ってもしかたがないけれど。

きっとこれから良いことがいっぱいある。何故なのかわからないけれど、そんな気がする。自己肯定感の低かった私でも、少しは成長したな。これが「根拠のない自信」というものなんだろうね。いつか娘とも普通に話せる日がくることを祈っている。

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