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信じる者は掬われる

「徒に」あるいは「やみくもに」と加えた方がいいかも知れない。信じるという心の動きを否定はしないが人が何かを「信じる」に至るのは相当ハードルが高いはずなのだ。「すがる」のはまた別の話。「信じる」は下手すりゃ「考えない」と同義語だ。

選挙が終わってようやく古びた分譲地も静かになった。あの一方的でボキャ貧極まりない街宣は騒音以外の何物でもない。誰がそんな言葉に騙されるのか。誰一人一党ともこの「無理ゲー社会」に響くフレーズをついぞ聞かれなかった。

そもそも理想を「イズム」で語ることには抵抗がある。70年代に中高生だったこのジジイだって、あの頃誰もそんなもの持ってはいなかった(だって「シラケ世代」と呼ばれたのだから)。おたく第一世代、新人類なんて呼ばれていた。森田健作的青春讃歌の時代は終わっていたのだ。いけない、よく言われるステレオタイプの昭和世代に括られたくないあまり安易と知りつつ嫌いな世代論に走りそうだ。

閑話休題。「信じる」ということは限りない「疑い」の先にようやく見出せるものだと思っているので、容易にたどり着ける境地ではない。「酸いも甘いも」の「酸い」を語れない政治家を誰が信用しようか。「理想」だってそういうこと。「ユニティ・イン・ダイバーシティ」を「多様性の統一」だって省略にも程がある。それが伝わる言葉だと思っていることがモンダイだ。村上龍が「13歳のハローワーク」で唯一オススメしなかった職業が政治家なのも頷ける。仕方がないから投票には行ったけど。消去法の一票はむなしい。

未だに訳知り顔で右だの左だのと言っている人もホントに辟易する。ジジイはこんなに「不寛容」で「生きづらい」人が増えてしまった社会が少しでも是正されれば、それでいい。


キヨシローの未発表曲が出たんだぜ。こんな世の中、どう思ってるんだい?
聴かせてくれよ、ベイベー。




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