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あの頃、映画館で(9)~「スティング」から「卒業」

自宅に眠っていた映画プログラムから10~20代(1980年代)に観た作品を50音順で。「サ行」まで45本が終了。

「スティング」(アメリカ映画/1974年日本公開)
「明日に向かって撃て!」のジョージ・ロイ・ヒル監督。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのペアがまた観られるとあっては観ないという選択肢はない。これ以上ゴキゲンなコンビはないと勝手に断言できる。暗黒街の男たちが抗争を繰り返す1930年代のシカゴを舞台に、仲間の復讐のためギャングの大親分(ロバート・ショウ)を相手に繰り広げられるペテンの数々・・・。第一パート「下ごしらえ」から最後のパート「最後にぐっさり」まであの手この手の「Sting(騙し)」でアカデミー賞7部門を受賞。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(アメリカ映画/1986年日本公開)
ジム・ジャームッシュという才能が出てきて映画はまた面白くなった。デッドパン(無表情)喜劇と呼ばれる。何だかバスター・キートンを思い出すような呼称だがもちろん全然違う。この手の映画を「退屈だ」と言う人は大勢いる。自分はといえば「ジョーズ」や「エクソシスト」で図らずも居眠りしてしまったが、この作品は映像詩を観るように物語を追った。今野雄二、川本三郎が寄稿している。コメントを寄せた著名人には坂本龍一、浅田彰、中野翠、大島渚、山下久美子、村上春樹、渡辺和博らの名前が。80年代だなあ。

見出しの写真は表4。ほんとうの表紙はこちら。

「スラップ・ショット」(アメリカ映画/1977年日本公開)
これもジョージ・ロイ・ヒル監督作品。ポール・ニューマン主演。マイナーリーグで低迷を続けるアイスホッケーチームの物語。粗野でおかしく憂いに満ちた男たち、下卑なセリフが行き交う脚本を書いたのはナンシー・ダウトという当時31歳の女性なのだ。「氷上のがんばれ!ベアーズだ」という評があったがそんなかわいいもののはずがなかろうが(もちろん褒めてる)。

「スローなブギにしてくれ」(1981年公開)
藤田敏八監督、浅野温子の初主演作。20歳になったかならないかの浅野温子の射るような眼差しがいい。古尾谷雅人に石橋蓮司、原田芳雄、伊丹十三、山崎努などCOOLな名前が連なる。原作はご存じ片岡義男。「彼のオートバイ、彼女の島」とかタイトルがいいのだ。「ぼくはプレスリーが大好き」はまだ本棚にある。

「卒業」(アメリカ映画/1968年日本公開)
何を今さらの「THE GRADUATE」であります。公開当時はまだ小学生だったので映画館で観たのはリバイバルで。プログラムの奥付には1976年発行とあってごていねいに値段がマジックで消されている。ラストシーン、バスの最後尾に座る2人の表情がこわばる事をこの時は気にもとめていない。何度も見直せばもっと様々な暗喩が見えてくるはず。

ダスティン・ホフマンのデビュー作でもある。

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