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変化を恐れず、カオスを楽しむ。執行役員 志賀の挑戦と軌跡

メンバーとして入社し、経験を重ねるごとに活躍の場を広げ、ついには執行役員へ。今回は、出前館の成長とともに自らのキャリアを切り拓いてきた志賀さんにインタビューしました。

法務・ガバナンス担当としてキャリアを積んできた志賀さんは、出前館に入社後、急速に担当領域を拡大し、現在は経営層の一員として出前館の変革を牽引しています。執行役員となった今だからこそ語れる、これまでの軌跡と仕事への向き合い方、そしてこれからの挑戦について迫りました。


志賀 綾子
BPオペレーション本部 執行役員本部長
2022年に出前館へ入社。入社後は取締役会や株主総会の運営体制の整備、社内規程の制定・改定を通じてガバナンス強化に携わる。総務・法務全体の統括へと役割を広げた後に、管理本部長としてバックオフィス全般を管掌。2024年9月から業務オペレーションを管轄する本部を担当。



未整備の環境こそが、培ってきた経験を活かせる場所


── 志賀さんのこれまでのキャリアについて教えていただけますか?

キャリアの始まりは営業職でした。30歳で営業事務へと転向したことをきっかけにバックオフィスの仕事に関わるようになり、次第にその領域が自分のフィールドになっていきました。総務・法務を中心にプライム上場企業などで約13年間経験を積み、その後はスタートアップでガバナンスを軸にバックオフィス業務を担ってきました。

私の専門領域は「商事法務」。各社に一人か二人いるかどうかのポジションで、市場でも希少な存在ではあります。転職活動では、この商事法務の経験を活かせる環境を求めていました。

── さまざまな選択肢があったかと思いますが、その中でも出前館への入社を決めた理由を教えてください。

一番の理由は、「自分の経験が活かせる」と確信したことです。コロナ禍において売上が急成長する中、出前館では2021年に決算の誤謬という事象が発生しました。その話を聞いたとき、「社内はきっと混乱していて、仕組みを整える必要があるに違いない」と直感的に思ったんです。

これまで培ってきたガバナンスやオペレーション構築の知識を活かせば、組織の強化に貢献できるのではないか。そう考えた瞬間、頭の中でやるべきことが次々と浮かび上がってきました。この会社でこれまで培ってきた経験が再現できるイメージが湧き、入社の方向へと気持ちが傾いていったんです。

最後の一押しになったのは、友人の言葉でした。出前館の最終面接を終えた後、友人が矢野さん(現社長)の元部下であることが分かり、「矢野さんってどういう人?」と尋ねたんです。すると、「めちゃくちゃ自分を引き上げてくれる人だよ。優秀で求めるレベルも高いけれど、その分得られるものも大きい。出前館は志賀さんに合うと思うよ」と言われて。その一言が決定打となり、出前館への入社を決めました。

── そういった入社背景があったんですね。入社後は、どのような仕事を担当してきましたか?

最初に取り組んだのはガバナンス領域の整備でした。取締役会や株主総会の運営体制の整理や規程の見直しなどを行う一方で、社内手続きの「よろず相談」のような役割も担っていました。

というのも、社内では「どのように進めるべきか」「誰に相談すればいいのか」が明確でなく、判断を下す人が変わるたびに基準が揺れ、さらに混乱が広がっている状況でした。そこで、まずは道案内役として動き、社内チャットで質問に答えたり、社内規程の相談に乗ったりしながら、社内にある情報を整理していきました。

ガバナンス領域を半年ほど担当した後、総務・法務全体を見るようになり、さらに管理本部長へと役割が広がっていきました。そして現在は、BPオペレーション本部長として事業そのものの業務改善や仕組みづくりを進めています。

誠実に向き合い、いかなる場面でも説明責任を果たす


── メンバーとして入社し、現在では執行役員へ。入社当初からこのようなキャリア構築をイメージされていたのでしょうか?

全く想像していませんでした。入社当初は、法務部長というキャリアが自分の中でしっくりきていて、それがゴールになると考えていました。商事法務を専門に、法務のプロフェッショナルとしてキャリアを築いていく。それが最も自然な道だと思っていたんです。

新たな役職の打診を受けるたびに、「本当に私が?」という驚きがありました。それでも、任された以上は責任を持って取り組もうと、一つひとつの役割に向き合ってきた結果、気付けばここまで歩んでいたという感覚です。

── 現在は、組織全体を見渡し、多くのメンバーと関わる立場にあります。マネジメントをする上で大切にされていることはありますか?

一番大事にしているのは、メンバーと誠実に向き合うことです。嘘をつかない、二面性を持たない。これは絶対に守っています。組織の中で「この人にはこう言って、あの人には違うことを言う」ということがあると、すぐに信頼は崩れてしまいます。どこで何を話しても矛盾が生じないよう、常に誠実に対応することを心がけています。

そして、もう一つ大切にしているのが、説明責任を果たすことです。何かを決めるとき、聞かれていなくても「なぜそうするのか」を必ず説明しています。単に結論を示すのではなく、その判断に至った経緯や背景まで共有するイメージです。

── 答えだけでなく、志賀さんの思考プロセスを伝えるということですか?

そうですね。ただ、これは「私の考えが絶対」ということではありません。あくまで「今のこの組織にとって最適な考え方」であり、環境が変われば判断基準も変わっていきます。だからこそ、メンバーには答えを覚えるのではなく、思考のプロセスそのものを身につけてほしいと考えています。

自分で考え、整理し、意思決定できる人が増えれば、どんな環境でも対応できるようになります。いわば、普遍的なフレームワークのようなものを伝えていくことが、私の役割のひとつだと思っています。

上司は「ガチャ」だから、安心できる環境は自分でつくる


── 他社も経験されている志賀さんですが、出前館のカルチャーについてはどのような印象を持っていますか?

本当の意味で、フラットな組織だと感じています。「フラットな組織」という言葉はよく聞きますが、実際に働いてみると、意外と階層の壁を感じることも少なくありません。その点、出前館は正真正銘フラットな環境が根付いていると感じます。

役職が上がったからといって指示を出す側に回るのではなく、部長や本部長もプレイヤーとして手を動かすのが当たり前。私自身、本部長になってからも「あぐらをかいている暇なんてないな」と思うほど、前線で動き続けています。

── このフラットな組織の中で、志賀さんご自身が大切にしていることはありますか?

メンバー一人ひとりと向き合うことです。いきなり本部長として上司になると、気楽には話しかけづらいと思います。そこで、自己紹介をちゃんとしたい。間の役職者というフィルターを通さずに直接会話をしてみたい、と思ったので、可能な限りメンバーと直接対話をする時間を持ちました。

── なぜ1on1を始めたのでしょうか?

上司は「ガチャ」だと思っているからです。どんなに優秀な人でも、上司との相性次第でパフォーマンスが大きく変わることがあります。だからこそ、私自身の考え方を直接伝えることで、少しでも安心して働ける環境をつくりたかった。同時に、メンバーの考えを直接聞く機会を持ちたかったんです。

1on1を通じて、お互いの価値観や仕事との向き合い方を知ることで、「この人はこういう考え方をするんだ」という理解が生まれます。1on1の場で本音を引き出せなくても、一度対話をしておくことで、後から相談のメッセージも送りやすくなるはず。最初の接点を作ることが大事だと考えています。

役職にとらわれず、業界のゲームチェンジャーへ


── 志賀さんが思う、「出前館で活躍できる人」とはどんな人だと思いますか?

出前館はコロナ禍で急成長し、経営体制も変わる中で、社内の状況はまさにカオスです。そんな環境だからこそ、変化を前向きに受け止め、自ら動いていく「カオスを楽しめる人」が活躍できると感じています。

ただ、単に「楽しむ」といっても、何が起きているのかを整理し、理解する力がないと、混乱に飲み込まれてしまいます。重要なのは、状況をロジカルに整理し、今何が問題なのかを冷静に把握する力です。その力があれば、「この状況をどうやって乗り越えようか」と前向きに取り組めるようになります。

正解のない課題に対して、自ら考え、周囲を巻き込みながら実行し、最後までやりきる。そんな姿勢を持つ人であれば、出前館というフィールドを存分に楽しめるはずです。

── 改めて、志賀さんが思う出前館の可能性について教えてください。

出前館には、まだまだ発揮しきれていないポテンシャルがあると思っています。業界No.1クラスの立ち位置にいる以上、デリバリー市場全体を広げ、ゲームチェンジャーになっていかなければなりません。

例えば、海外ではデリバリーが日常の一部として完全に定着していますが、日本ではまだ「手作りこそ正義」という文化が根強く、デリバリー=手抜きというイメージが残っています。この価値観を変えていくのが、まさに出前館の役割だと思っています。もっと柔軟にデリバリーという選択肢が受け入れられる社会をつくれるはずなんです。

デリバリーの普及は、単なる利便性の向上にとどまりません。家事負担の軽減や、女性の社会進出の後押しにもつながるはず。毎日手作りしなくてもいい、疲れた日はデリバリーに頼ってもいい。そんな文化が根付いていけば、もっと多くの人が自由に時間を使えるようになると考えています。社会全体の働き方やライフスタイルを変える大きなきっかけになるはずです。

── 最後に、志賀さんの今後の目標を教えてください。
自分がこのポジションに就くなんて、出前館に入社したときは全く想像していませんでした。そのため、「次にどんなキャリアを築くか」という明確なビジョンがあるわけではないんです。それが今の一番の悩みかもしれません(笑)。

ただ、ひとつ決めているのは、「ポジションに執着して、居座るようなことはしたくない」ということ。前職で、上のポジションが詰まってしまい、新たな挑戦の機会が閉ざされた経験があるからこそ、同じ苦しみをメンバーに経験させたくないんです。優秀な人をどんどん採用し、チャレンジを通じて共に成長し、役割を引き継げる環境をつくることが、自分のミッションでもあると思っています。

そして、出前館に関われるのであれば、どんな形であってもいいから貢献していきたい。必要とされることがあれば何でもやるつもりです。重要なのは、自分がどのポジションにいるかではなく、会社の成長にどう貢献できるか。その意識を持ち続けながら、さらなる変革のフェーズへと歩みを進めていきたいです。

取材・執筆/早坂みさと



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