コンテンツは読んだ人の判断や行動を左右する。だから良い選択に寄与するコンテンツを提供したい(DeltaXディレクター 佐藤圭太インタビュー)
日本最大級の学習塾検索サイト「塾選」を展開する株式会社DeltaXでは、現在一緒に働くメンバーを募集しています。これまでにない塾のリアルなクチコミや、一括資料請求ではなく自分にあった塾に対して個別に資料請求できるサービスの提供を行う「塾選」。サービスの要である「塾情報」「クチコミ」のコンテンツ制作や、ユーザー獲得のための広報・PRなどを担当するディレクター佐藤圭太さんにDeltaXでの仕事について聞きました。
佐藤さんはこれまでどのようなキャリアを積んできましたか?
新卒から編集者としてキャリアをスタートし、さまざまな会社で「編集」を軸に仕事をしてきました。
新卒で編集プロダクションに入り、大手出版社の書籍制作を請け負う編集業務を担当しました。5年ほど経った頃にちょうど電子書籍などが盛り上がりを見せ始め、編集者として紙メディアだけではキャリアに限界があるように感じてIT業界に興味を持つようになりました。そのタイミングで、楽天株式会社が加盟店向けの広報メディアの編集担当者を募集しているのを見かけて転職しました。
楽天では『Rakuten DREAM』という、楽天市場に出店する店舗さんを対象に配布する広報誌の編集を担当したのですが、その経験は自分のキャリアにおいてインパクトがありました。
店舗さんを取材して、ショップ運営のナレッジやビジネスを展開する上でのマインドなどを成功事例として記事にまとめるのですが、うまくいっている店舗さんはどこも「お客様にいかに喜んでもらうか」を第一に考えていました。売上はあくまで後から付いてくるものという姿勢だったんです。
実は私が新卒でメディアの仕事を志したのは、学生時代にビジネスの世界はお金儲けばかりを優先しているように感じて、ジャーナリストになって公平で幸せな社会の実現を訴えたいと思っていたからなんです。
しかしビジネスでうまくいっている店舗さんの価値観にふれることで、「ビジネスは悪いものではない」と考え方が変わりました。ビジネスはどんなビジョンを持って取り組むかが大切なのだと学びました。
楽天での仕事は充実していたのですが、とても多忙でした。ちょうどその頃に子どもが生まれたのですが、忙しすぎて子どもと過ごす時間がとれないという日々が続きました。このままではまずいと思い、株式会社エバーセンスという子育て世代向けサービスを展開するベンチャー企業に転職しました。
楽天での経験から、会社が掲げるビジョンの意義を感じていたので、転職先もどんなビジョンを掲げているかを重視しようと思っていました。エバーセンスは「家族を幸せにすることで、笑顔溢れる社会をつくる」というビジョンを掲げており、そこに共感し入社を決めました。
ベンチャー企業ではありますが、子育て世代への理解もあり、仕事もプライベートも両立させる働き方ができました。Webメディアのグロースやアプリの立ち上げのほか、編集部の組織マネジメントなど、さまざまな仕事を経験しました。
エバーセンスには6年ほど在籍しました。そのうちに子どもが成長して自分の子育ての関心が「教育」に移り、仕事においてもマネジメント経験を経て「人を育てる」ことへの興味が強まっていました。次のキャリアを「教育」の領域でチャレンジしたいと考えるようになり、個別指導塾の「スクールIE」などを運営する株式会社やる気スイッチグループに転職しました。そこでは「やる気スイッチプレミアムクラブ」という保護者向けのWebサービスの編集長としてメディア運営を担ったり、教育メソッドの言語化などにも取り組んだりしました。
教育事業会社での経験を積むなかで、進路選択におけるメディアの役割の重要性を改めて感じ、ふたたびメディア側で働きたいと思ったのがDeltaXに転職したきっかけです。DeltaXを選んだのは、「塾選」がよりよい進路選択をするために、情報とテクノロジーで貢献できるサービスだと感じたからです。長くなりましたが、編集者という仕事を軸に様々な仕事をしてきて、そのたびに感じる課題に向き合ってきて現在に至ります。
佐藤さんはDeltaXではどのような役割を担っていますか?
コンテンツクリエイティブ部のマネジャーを担当しています。コンテンツクリエイティブ部はCOOの大西が組織の統括をしていて、私は主に組織マネジメントや記事コンテンツの運用面を担当しています。
記事コンテンツの方向性や品質の担保は編集長の牛田が担当しており、私はコンテンツクリエイティブ部として記事コンテンツをどのように作っていくかの運用体制の構築や組織づくりといった部分をマネジメントしています。記事コンテンツとは別で、ほかに広報などで社外に発信する情報の確認や運用も担当しています。
記事の品質管理をする編集長と組織マネジメントをする自分とで役割を分担する体制は、とても効率的で理にかなっていると思っています。
それぞれに制作する記事や情報といったソフト面について牛田が集中して取り組み、私はそれをカタチにするための仕組みづくりに集中する。少人数ながら「塾選」サービスの優位性であるコンテンツを、質と量ともに担保して安定的に制作できています。
もちろん機能分掌をする上で目線を揃える必要があるので、大西と牛田とはこまめにコミュニケーションを取りながら進めています。
佐藤さんから見たDeltaXの特長はどんな点ですか?
これまで大企業から小規模ベンチャーまでさまざまな組織を経験してきましたが、DeltaXはサービスを提供する上でコアコンピタンスとなるものをしっかり決めてそこに重点を置いている会社だと感じます。
小規模な企業でコンテンツの量を担保しようとすると、正確性や内容の質というものがトレードオフになりがちです。たとえばクチコミを載せようと考えたとき、量を担保できるのはユーザー投稿型のサービスです。しかしユーザーの投稿をそのまま載せると情報の正確性など品質の担保は難しくなります。
DeltaXでは、利用者の人生を左右する塾選択の情報を提供する以上は正確性と客観性のある情報であるべきだというスタンスから、収集した情報をスクリーニングしたり、取材をもとにした記事を作成したりとコストをかけています。
ただし「べき論」ばかりでコストをかけているわけではなくて、それが結果的にサービスの優位性につながるコアコンピタンスとなっている。こうした事業の判断や価値観は、働いている側としても気持ちがいいですし、自分たちの仕事やサービスに自信を持つ源泉になっていると思います。
そしてこの価値観が社内で共有できているので、結果的にコミュニケーションもスムーズですし、権限委譲も進んでいると思います。これまでのキャリアのなかでも、ビジョンがしっかりとある企業は目線が一致していて働きやすいと感じていましたが、DeltaXでもそれを感じます。
佐藤さんから見た良いコンテンツとはどのようなものですか?
コンテンツや情報はそれ自体が誰かの判断や行動に影響を及ぼす力を持ったものだと思っています。ですから良いコンテンツとは、ユーザーに良い影響を及ぼす情報のことだと思っています。
WEBサービスですと、ユーザーの行動はコンバージョン数などで語られたりしますが、何が何でもコンバージョンをしてもらおうというのは違うと思います。
例えばコンテンツを読んだことで行動を思いとどまり、それが結果的にその方にとっては良い判断になったというケースもありますよね。たとえコンバージョンをしなかったとしても、それはユーザーによい影響を及ぼせたと言えると思っています。そうした情報を提供するサービスには信頼が生まれますし、結果的にサービスを利用いただき、それがまわりまわって対価として私たちに返ってくるものと信じています。
良質なコンテンツを自信を持って作っているからこそ、多くの人に「塾選」を知っていただき、使っていただきたいと思っています。ですので集客や対外発信などにも力を入れています。
塾選びというと、住まいの近くにある塾から選びがちです。塾についての知識も、近所だからこそたとえば知り合いからの情報だけに頼りがちだったり、ほかにどんな塾があるのかに気付けなかったり、得られる情報の質にムラがあるんです。
知り合いが「いい塾」と言っていても、たとえば通うお子さまの性格だったり進路希望が違ったりすれば逆の評価になるかもしれません。だからこそ、ご自身の状況にマッチした情報が参照できるサービスは、ありそうでなかった価値のあるものだと感じています。
塾としても、チラシを配布するだけではユーザーとの出会いは限定的になります。コストをかけて幅広い層に広告することは、非効率な面もありました。しかし「塾選」をご利用いただければ、届けたいユーザーに適切な情報を提供できるようになり、集客効率が高まり、本来力を入れるべき塾運営に集中することができます。
こうした意義のある情報提供ができるのが「塾選」というメディアであり、本質的なメディアとしての役割だと感じています。
いまコンテンツクリエイティブ部ではどのような人を求めていますか?
DeltaXと「塾選」には、発信したい・発信すべき情報がまだまだたくさんあります。コンテンツクリエイティブ部としては、「こんな情報も必要じゃないか」「この情報が足りないんじゃないか」と、積極的に新たなコンテンツ提案をしてくれる人を求めています。そのコンテンツを自分で主体的に作り上げていってほしいです。また、「自分の仕事はここまで」と枠をはめるのではなく、どんどん染み出して行ける方と一緒に仕事をしたいですね。
個人的な思いでもありますが、私自身が編集という職業からキャリアを広げていったタイプなので、「編集者」という職能のポテンシャルは大きいと感じています。
編集とはバラバラな情報を集めて、それを目的に応じて編む仕事です。編集というスキルは、コンテンツだけではなく、組織や事業といったものにも活かせるものだと思います。ですから、ぜひ編集経験者の方の新たなキャリアとしてチャレンジしていただけたらとも思っています。興味を持たれた方からのご応募お待ちしています。