初めてのシステム評価〜小さな開発組織の場合〜
こちらはTeam DELTAのアドベントカレンダー16日目の記事です。
はじめに
おとといぶりです!DELTAのディレクター 兼 CLINIC TEN SHIBUYAの予約・診察・請求システムのプロダクトマネージャーを務めております、中島です。
今回は、CLINIC TEN SHIBUYAのシステムを作る中で、初めてシステム評価を行ったお話を書いていきたいと思います。
これから初めてシステム評価を行う方の、進め方検討の一助となったら幸いです!
評価を始めるきっかけ
まず、当時の状況はこんな感じでした。
当時開発者2名の開発組織に対して、20人月以上の大規模な開発プロジェクトが発足(既存のプロダクトのUIUXリニューアルプロジェクト)
長らく1名体制だったため、ドキュメントや評価の体制はない
業務委託を複数名アサインし、アウトプットにばらつきが生まれる
そこで、2つの点を目的に評価を始めることにしました。
1つめは、アウトプットの品質を一定にすること
これまで開発1名体制ながらスピードが求められる状況(スタートアップあるある)で、中々評価まで手を伸ばせていませんでした。しかし、開発者の数自体が一気に増えることもあり、アウトプットの質を一定にする目的で評価を導入しました。
2つめは、要件定義のドキュメントとして、テストケースを用いること
CLINIC TEN SHIBUYAは次世代型かかりつけクリニックを標榜しています。そのため、日々新しい要件が出てくるため事前に要件を詰め切ることが難しく、どんどんと変わっていく要件を受け止め、かつコストの小さなドキュメントが必要でした。
そこで、要件定義とテストケースのドキュメントを1つにすることで、改修コストを半減させようと考え、要件を直接テストケースに表現するようにしました。
具体的な進め方
早速、要求定義からテスト実行までを進め方を、
ツール・作成方法・運用方法の順にご紹介していきます。
ツール
Google スプレッドシートです。
Google スプレッドシートです。(大事なことなので2回言った)
Google スプレッドシートの良いところは、とくに柔軟性が高いことです。
1つのテストケースの内容が多くなってしまう場合は別表に簡単にまとめたり、評価結果を別シートにまとめるなども柔軟にできるので、その点を気に入って使っております。
作成方法
テストケースを作成する前に、下記3点を揃えます。
・業務フローの整理(フローに落ち切らない要求は補足資料で表現)
・機能一覧の作成
・デザインの作成
上記の中に、基本的な要求は落とし込んでいきます。
その上で、テストケースは基本的に画面単位に作成し、上記の機能一覧の機能仕様について落とし込んでいきます。
※開発内容によって、テストケースの単位が機能単位になることも
具体的な作成方法については、私がとても参考になった書籍が二冊あるので、これをぜひ参考にしてみてください!
運用方法
評価は実装が完了し、開発者による単体の動作テストが完了したものに対して行います。
・テストケースを用いて評価を実施
・開発者間でも相互にアドホックテストを実施
・テストNGケースの一覧を作成し、優先順位を設定
・優先度の高いNGケースから、順に改修を実施
基本的に、テストNGケースを全て改修し切ることは難しいので、優先順位を設定することでクリティカルなNGケースから処理するようにしています。
やってみた成果
良かった点
問い合わせ件数が大幅に削減
品質の向上が実際の問い合わせ数にも表れていて、UIUXリニューアルプロジェクトの立ち上げ当時、月48件の問い合わせが現場から上がっていましたが、プロジェクト完了現在、12月に入ってまだ問い合わせが2件とおよそ12.5%まで削減することができました。ドキュメントのメンテナンス工数の削減
仕様変更の際に、デザインとテストケースの修正のみで完了し、腐ったドキュメントがなかった点も良かったと感じています。
改善したい点
テストケースの品質
評価初心者の自分がつくったこともあり、テストケースの品質自体は今振り返ってみても微妙な部分がありました。例えば、画面遷移や状態遷移についてのテスト、異常系や訂正系のテストの網羅性が低いなど。。
その結果、アドホックテストで同領域のバグが多く報告されていました。テスト管理ツールの導入
テストの進捗の可視化や、戻りの一覧作成などはかなり手間のかかる作業となってしまっているので、管理ツールを導入して省力化を図れる点だと考えています。
おわりに
IT業界に身を置きながらあまり評価に関わっていなかったので、評価がどこまで製品の品質を高められるか、最初は全然わかっていなかったのですが、やってみるとその差は歴然!現場に満足してもらう製品を作る上で、やって良かったなと感じました。
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こう言った形で、まだまだ手探りで開発を進めている私たちですが、日々必要な技術を知識を取り入れながら、課題解決に取り組んでいます。
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