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【連載小説:ホワイトハニーの未来へ】

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※毎週、月・金の19時に投稿予定です。 ※小説家になろう・カクヨムにも同名の小説を投稿しております。 ・小説家になろう  ⇨https://ncode.syosetu.com/n…
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#病院

【連載小説:ホワイトハニーの未来へ】「第1章 人生っていうのは選択肢の連続だ」(1)

(1)  小学生の頃、島津大樹にとって二十歳は途方もなく遠い未来だった。  一日一日がとて…

綾沢深乃
1年前
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【連載小説:ホワイトハニーの未来へ】「第2章 有効に使ってほしい」(1-1)

(1-1)  灰色の本を本棚に入れてから手に取る事は一度もなく、最初はあった違和感も年月の経…

綾沢深乃
1年前
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【連載小説:ホワイトハニーの未来へ】「第2章 有効に使ってほしい」(1-2)

(1-2)  病院に向かう最中、大きな時差式の交差点に捕まった。  長いな、早く青になってくれ…

綾沢深乃
1年前
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【連載小説:ホワイトハニーの未来へ】「第3章 予感って、」(2-3)

(2-3) 「由香……」  ベッドに横たわっている由香は、体中を白い包帯で巻かれて、点滴や呼…

綾沢深乃
1年前
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【連載小説:ホワイトハニーの未来へ】「第5章 お願いしていい?」(4-1)

(4-1)  ホワイトハニーの一件から、大樹はまた美咲中心の生活に戻る。  祈るような気持ち…

綾沢深乃
1年前
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【連載小説:ホワイトハニーの未来へ】「第5章 お願いしていい?」(7)

(7)   大樹は病院を出て地下鉄に乗り会社に到着する。  フロアのドアを開けて自分の席に…

綾沢深乃
1年前
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【連載小説:ホワイトハニーの未来へ】「第5章 お願いしていい?」(8)

(8)  病院に着いて美咲の顔を二人で見た。二人が来た時には彼女の意識はまだあり、来てから、しばらくしてそっと息を引き取った。まるで自分達が来るまでを待っていてくれたようだった。  顔を下にして涙を流す由香の頭に手を置いてから大樹は病室出る。それぞれの家族に美咲が亡くなった事を説明する。すぐに双方共、病院に来るとの事だった。  それに礼を言って大樹は病室に一度、戻る。先程までバタバタした様子だったのが嘘のようだった。シンと静まりかえっていて、風の音や時計の音が聞こえる。