【読書】『興亡の世界史 大英帝国という経験』でドラマ「OUTLANDER」のおもしろさ倍増!
2022年4月にFacebookに書いたもの。Netflixのドラマ「OUTLANDER」シーズン6が1月26日から配信されるので、加筆してみました。
恩師・井野瀬久美恵先生(甲南大学教授)の『興亡の世界史 大英帝国という経験』を読む。今頃? となるんだけれども、いいの何時だって。本との出会いは突然・偶然・必然に。
軸は「大英帝国」なんです
これ…ドラマ「アウトランダー」沼にはまった人、必読ですよ!!! ネタバレになるかもしれないけど、歴史大河ロマンだから、まあネタはすでに出そろっているわけですが😅 wikiで史実を拾い読みするのもいいけれど、ぜひこの1冊を!
スコットランド、英国、フランス、アメリカを巡ってジャコバイトからノースカロライナ州への移民、ロイヤル・ハイランド移民部隊、独立戦争…といったドラマで描かれる出来事の軸は「大英帝国」。帝国という枠組みではひとつの国家だけれど、大西洋をまたいだ国際的な人や物資の行き来が、時代とともにどう移り変わっていくのか。教科書ではわからなかった色彩というか、五感に働きかけてくるように「なるほど!」と思えるのは、物語(ドラマ)ならでは。
ジェイミーたちはカナダへ?
シーズン5まで見終わって、どうもカナダに行くんじゃないかという気がして、スコットランドからの移民がどんなふうに行動したんだろうと調べていたら、ブリティッシュ・コロンビア州にフレイザー川というものがあるのを発見。
ウフフ、姓がばっちり合うじゃないですか! 史実と付き合わせながらファンタジー(ノンフィクション)を見るor読む楽しさよ~醍醐味よ!! いや、関係ないのかもしれんけど💦
アメリカ独立戦争が始まったのは1775年(ドラマはシーズン5が1765年頃かな)なので、そこから20年後にマッケンジー家の誰かが上流部を探検したと。さらに10年後くらいに探検家のサイモン・フレイザーが源流まで遡ったと!
サイモン・フレイザーは英語版のwikipediaによれば
16~18世紀の西欧世界は、ヨーロッパとアメリカ大陸を行ったり来たりするんだが…やっぱり面白いなあ、大英帝国の歴史! 1つの国の歴史だけでは理解に足りず、奥深すぎる。
「シャーロック・ホームズの冒険」にも帝国の影響ばっちり
本書を読んだ後に「シャーロック・ホームズ」(ジェレミー・ブレット版ね)を見ていても、スペイン人女性がレディとして迎えられる意味とか、流刑地がこっちに移ったわけね…と、いちいち気づいたり納得するポイントが激増(これ、大学時代と同じだw)。
アメリカを舞台にした作品でもアイルランド人気質とか、出自を問うてなんやかやとか。ニューヨークのギャングものだって、移民前の経緯や、カトリックとプロテスタントの宗教対立がアイデンティティ確立の術になったこと(つまり人に根付く)とか。あああ楽しい。
歴史を学べばおもしろさ無限大∞
歴史ドラマだけではなく、現代のものだって歴史的な背景がガッチリ関係しているものは多い。もちろんフィクションだけでなくノンフィクションも、現実に起きている出来事も、時間の積み重ねという歴史を知ると違う光景や意味合いがわかることがあって…ああ、無限大。
先生、歴史を学ぶ楽しさを永続的に教えて下さってありがとうございます、井野瀬先生!!!!!
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