たまごひとつで作る家庭菓子 「カカオとベリーのクラフティ」/スギアカツキ
今の自分ができること
長いコロナ禍の生活が続いています。皆さんもさまざまなストレスや不安を感じていることと思います。
しかしそんな中で、未曾有の自粛生活を強いられている子どもたちに、健やかな楽しみを提供しようとする企業・団体が出てきています。
5歳の息子を育てる母の立場として、そういった試みに心から感謝をする瞬間が多くあります。そしてそれをきっかけとして、私もなにか子どもたちにできることはないかと考えるようになりました。
今回はそんな思いを込めて、「たまごひとつ」をテーマに、子どもたちに楽しく作ってもらえるようなお菓子のレシピをご紹介させていただきたいと思います。
「カカオとベリーのクラフティ」
クラフティとは、カスタード生地に果物が入ったフランスの伝統的焼き菓子のこと。スポンジケーキやプリンのような手間がなく、誰でも簡単に失敗なく作ることができます。
このクラフティを少々アレンジ。
バターを使わず、比較的低カロリーに。
カルシウムやたんぱく質を意識して、ギリシャヨーグルトを、健康食材として人気のカカオやベリー類を使用。
成長期の子どもに食べさせたいデザートでありながら、一緒に食べる大人にとってもヘルシーな組み合わせを追求したレシピになっています。
それでは早速作っていくことにしましょう!
【材料】
(直径20cmのスキレットもしくは耐熱皿で1個分)
卵 1個
ミックスベリー(冷凍) 150g程度
ギリシャヨーグルト 150g程度
薄力粉 30g
砂糖(※) 40g
ベーキングパウダー 小さじ1/2
ココアパウダー(無糖) 10g程度
塩 ひとつまみ
※砂糖はお好みのものを使ってください。今回は風味を重視してメープルシュガーを使用。三温糖は優しい味わいに、上白糖は繊細ながらもメリハリのある仕上がりになります。
材料はなるべく身近なものをチョイスしていますが、ご家庭の都合に合わせて、アレンジしていただいて構いません。
小麦粉がNGな場合は、米粉で。ベリーの代わりに旬の果物(プラムや白桃)を選んだり、カカオ(ココアパウダー)なしで作ってみるなど、自由な精神を持って始めましょう。
【作り方】
(準備)冷凍のミックスベリーをあらかじめ出しておき、30分ほど自然解凍する。
水分が出てくるので、キッチンペーパーを敷くと良い。
オーブンを180℃に予熱しておく。
1)卵を割りほぐし、砂糖と塩を加えてよく混ぜる。
2)ギリシャヨーグルトを加えてよく混ぜる。
3)薄力粉、ベーキングパウダー、カカオ(ココアパウダー)を加えてさらに混ぜる。
粉類は3つを合わせてふるいにかけながら加えると、ダマにならない。
4)混ぜた生地をスキレット(もしくは耐熱皿)に流し込む。
5)ミックスベリーを全体的に置く。
6)オーブンに入れて、180℃で20分、170℃で20分焼く。
7)焼きあがったら、やけどをしないようにスキレットを取り出し、涼しいところで冷ます。
高さのある網(ケーキクーラーなど)があればその上に載せると良い。
はい、完成です。
少々演出を楽しみたい場合は、粗熱が取れた段階で、上から粉糖を振ると良いでしょう。
おいしい食べ方
冷蔵庫で冷やして、スプーンですくって食べるのも良いですが、熱々の状態で冷たいアイスクリームを添えて、溶かしながら食べるのも絶品。
お好みの味わい方を探してみてくださいね。
フランス菓子の歴史を調べながら作ってみたり、カカオやベリーの健康効果を調べたりしながら、夏の自由研究として作ってみるのも良いでしょう。
子どもたちのやる気と笑顔を大切にしながら、残りの夏を楽しんでいただければ嬉しく思います。
この連載では、「たまごが一番大好きな食材」という食文化研究家のスギアカツキさんが、その経験と好奇心を生かしたさまざまなアプローチで「たまご」を掘り下げていきます。【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。
文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
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