生産者が本気のカレー屋さんはじめます!第ニ章
第一章の続き
僕が農業をやり始めた時は、作った柿や筍は直売所形式で販売し、売れ残ったモノは市場に出していました。
(筍は売り切れてしまい足りないほどですが、柿は残ります)
なぜ、この販売方法だけなんだろう?
良いモノはみんなに知ってもらいたい!
自分たちで足を運んで良さを知ってもらったらいいのに!
営業すれば絶対に売れる自信があったので、尚更そう思いました。
もともと営業の仕事をしていたので、採れたての柿を鞄に4個入れて、和食・イタリアン・ホテル・ケーキ屋さんとジャンルを絞り4店舗に飛び込みで営業し、柿の良さを知ってもらおうと考えました。
その時、飛び込みで訪れたうちの一つが「イルギオットーネ」でした。
ガラガラドンで柿を片手に…
「はじめまして。冨有柿を生産している者なのですが、是非試食していただけたらと思いまして。オーナーの方いらっしゃいますでしょうか?」
とサービスの方に声をかけると、奥から当時の料理長をされていた坂本シェフ(現cenciオーナーシェフ)が現れました!
この時の坂本シェフは、突然の訪問にも関わらず丁寧に僕の話しを聞いてくださったんです。
農業の世界に入って感じたこと
柿の一年間の栽培方法
こだわりなどなど…
サンプルを渡し、厚かましいのは承知の上でその場で試食をお願いすると、食べてくださり感想もいただきました。
素材の味がしっかりしていて歯応えも良く美味しい。
「明日10kg送ってー」と、名刺に携帯番号とメールアドレスを書いて渡してくださいました。
「生産者の人が直接営業にくるのは珍しいね」と言われたのがちょっと嬉しかったです。
ポジティブなんで 笑
シェフがイルギオットーネを離れられ、新しくお店を立ち上げますとハガキをいただいていたものの、少し空白の時間がありました。
独立されて2年目の春に、シェフから電話があり、「先日、吉田牧場さんのイベントで西田君の筍を使ったピザ食べたよー。うちにはいつ営業来てくれるの?」と言ってくださったのをいまでも覚えています。
驚き、嬉しかった…
ここで再びご縁がつながります。
筍や柿のシーズンには食材を活かすための方法を伝えてくださったり、また加工品を考えている時は相談にものっていただいていました。
その時の坂本シェフはいつも、正直な感想とプロとしての視点からのアドバイスや意見を、丁寧に伝えてくださるんです。
忙しい中、わざわざボクのために大切な時間を使ってまで…。
それってね、真剣に向き合ってくださっているからこそだと思うんですよね…。
ボクと同じ目線で「京都竹林未来計画」でも掲げている、地域の課題や農業の抱える課題に対して、寄り添ってもらえているように感じていました。
だから、真剣に考えて行動しているボクにとって、とても貴重なアドバイスで本当にありがたかったし、心から嬉しかった。
時間も知識も、惜しみなく協力してくださる坂本シェフの在り方に心動かされたのが、スパイスカレーの開発を(厚かましいのは承知の上で)是非監修してもらいたいと思った一番の理由です。
最終章は…
スパイスカレーができるまでを書いていきますね!飽きずに読んでいただけると嬉しいです^ ^