涙腺は緩くならない/さよならジュブナイル/7~誰も何もしないコラム12 skitkr
・涙腺は緩くならない
久々に会った知り合いと雑談をしていた時の事。
最近映画観た?からの会話で
「子供が産まれてからトトロを観たら必ず泣く」
という、発言を頂きました。
「あ、わかる!」という声がありそうですが、僕は全く泣かない派。
いわゆる涙もろくなったというやつだと思いますが、基本映画で泣くことがほとんどなく、というか、泣く映画を観ていないのでそこに共感が出来ずにいました。
そんな会話の記憶が薄れそうになっていた時に観た「ゴーストバスターズ/アフターライフ」。
良い意味で80年代真空パックなこの映画は、コメディから家族の絆問題にシフトチェンジされたことで、作品の懐かしさと「子を思う親」「親の愛情を確認したかった子」というのが、ゴーストバスターズリアルタイム世代の歳をとった僕には突き刺さりました。。
監督も親(アイヴァン・ライトマン)から子(ジェイソン・ライトマン)へと引き継がれたことで、年月を経たシリーズの最新作が家族愛で包み込まれ、全編に温かさが溢れていることと、親が作った作品に息子が「僕はこうしたいんだ」と親子監督で会話のキャッチボールをみせられている気がして、多好感に満たされました。
そして、映画のラストは思わずウルっときてしまいました。
日常で泣く事は2018年の「「ロシア」」ワールドカップのベルギー対日本以来だと思います。。。
そう、あの時は。。。この話長そうなのでやめます。。
これが涙もろくなったいわれるやつか。。
涙腺が緩むことは、歳をとったり、たくさんの人生経験がそうさせたり、色々あると思いますが、個人的には「感情を抑制する場面が多くなったからこそ泣きやすくなった」と結論が出ました。
赤ちゃんや子供の頃は思う存分に喜怒哀楽を出していましたが、まがりなりにも大人として活動するようになり、感情のコントロールが必要な場面は増えてきています。
とくに怒り。
こと職場においては、好きで組んだチームじゃない人と擦れることで生まれるストレス。
毎回毎回ブチギレることも出来ず、もやもやとイライラの共存は、肥大化していくと人間をあらぬ方向へ連れ去ってしまいます。
また、素直に喜べない時でも「喜ぶフリ」を提示していかなければいけない虚偽の笑顔も。。。
感情が制限される分、泣くことに対してのリミッターがはずれやすくなっているんじゃないかと思いました。
涙でストレスを流すことは素晴らしいですが、どうせ泣くなら心が満たされた美しい涙を。。。。
・さよならジュブナイル
今年は映画をたくさん観よう年間として、時間があればチェックしているのですが、環境的に主たるサービスが、「TSUTAYA TV」というツタヤ旧作レンタル借り放題と共についてきた定額動画配信サービス(1000円)と、映画館。(いろんな方に「アマプラにすればいいじゃん!」「なんでネトフリにしないの?」等言われますが、ツタヤに恩義があるのです。。)
好きな映画に偏りがあったので、「TSUTAYA TV」の追加料金なしで観れるラインナップに魅力を感じず、最初は作品選びに難航しましたが、それが逆に様々なジャンルに手を出す良い機会になりました。
そしてなんとなく観た「グッバイ・サマー」。
少年達の淡く碧い(美しくそして未熟な)ロードムービーで、ミシェル・ゴンドリー監督の自伝的作品とのこと。
作品を観終わって、これまで自分がジュブナイル作品をあまり観てこなかったことに対して答えを出せた気がしました。
根本的に、起承転結の振れ幅がでかい映画を好んでいて、少年少女が活躍する話や、日常を掻い摘んでさらけ出してくれる作品、歓喜の情景を美しくパッケージした作品より、成人がワクワクハラハラドキドキを提供してくれる作品に魅力を感じていたので、作品の内容より「刺激度」に物足りなさを感じてしまうではと思っていました。
なので、ソフトストーリーも全然観なかったです。
(de la chickで企画しました。ここもターニングポイントでした。。)
そして、鑑賞後に感じたことは「観た後に自分で置き換えて妄想できない」です。
個人的な映画の楽しみである、「観終わってから、主人公(または、その世界の住人)になる」ということをいまだにしているのですが、
大富豪から娘の事件の調査を依頼された
未知のウイルスで暴徒化した街から逃げだす
溺れている時に空間を飛び越える能力を覚える
ただただボーリングだけする
自分の思うがままに操作できる妄想は、生きづらい世の中のちょっとした贅沢なんです。。
今まで、自分に置き換えれないことを意識して作品を選んだことはなかったですが、もしかしたら潜在的にそのことで脳が拒否していたのかもなんて思ってます。
子供の頃に観た「グーニーズ」や「ホームアローン」は好きで何度も観ました。(同じ世代だったからかな。。ちなみに「ゴーストバスターズ/アフターライフ」は、往年のシリーズとアントマンのポール・ラッドが出てるという理由で映画館に行きました。)
でもその世界に入ろうと考えたことはなかったと思います。
単に、妄想できるあたまがなかった、あとは、自分の子供時代が楽しかったから、リアルな世界で十分満たされていたんだと思います。
友達、ゲームボーイ、アニメ、単行本、ジュースとお菓子。
これだけでよかったんです。
食わず嫌いをしてきたからこそうまれた歪な思考なんで大切にしたいと思います。そしてこれからは、いろんなジャンルを観て、感情に流されてみたいです。
・7
久々に観た「アンダー・ザ・シルバーレイク」。
本国アメリカよりも早く日本公開しためずらしい作品で個人的に好きな一本です。
陰謀、都市伝説、ポップカルチャー等のちりばめられた点と点が線になったときに全てが理解できる作品。と、思ったら大間違い。
僕が観ていたものは、主人公サムが妄想したことさえ現実世界と一緒くたに映し出されていたのか?と思わせるほど、理解するのが到底難しいです。
そんなことを思いながら、淡々と観ていると気になる部分が。。
謎解きでアルファベットと数字を書くシーンがあったのですが、「7」の書き方で「ヌ」みたいに小さい横線を入れていることに猛烈な憧れを抱いてしまいました。。。
海外ではこのような書き方もスタンダードらしいですが、洋画で観た数字なんていままで気にしたことがなく、好きな作品故に自分のフォーカスが当たったと思います。
そして、実際の生活で試したくなるこの性格、職場でアメリカ7を書いてみました。
上司に「ナニコレ?」と言われることにビビった僕は、遠慮して限りなく短い横棒をちょん、と足して提出。
そこには大した危険じゃないのにビビッてしまう子供の頃のワクワク感と、成し遂げた達成感、そして、「君たちは知らないんでしょコレ?7だよ」という謎の優越感で身動きが取れませんでした。
こうやって人は無駄な知識を勝手におっぴろげて後悔し、己を深めていくんdeath。。。。。
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