腹筋割れてたことない。

二種類の人間がいる。腹筋が割れてるか、否か。

生まれてから今まで、一度も割れていたことがない。腹筋を鍛えたことは何回もあるし、スポーツテストでも、腹筋だけの力ではないが、10点を取ったことだってある。なのに、割れていたことは一度もない。

腹筋が割れてるってどんな気持ちなのだろうか。

おなか周りがすっきりしているという感覚的な気持ちと、自分は腹筋が割れているんだという精神的な気持ちの両方を知りたい。

俗にいう、シックスパック。二つずつ、三セットの筋肉の塊のことである。おなかの一番上、脇腹のすぐ下の部分というのだろうか、そこに二つ表れていたことはある。

しかし、その下の腹筋の姿が見えていたことはない。手で触ると確かにそこに存在しているのに、姿は見せてくれない。脂肪が原因なのだろうか、それとも単純に筋力不足なのか。まあ、おそらく脂肪が原因だろう。

これから、年齢的に太る一方な気がする。もう、死ぬまで自分の腹筋があらわになることはないのだろうか、誰にも見られることなく生涯を終えてしまうのだろうか、そう考えたらとてもさみしい気持ちになった。このままではかわいそう。腹筋があまりにもかわいそうだ。

腹筋はみられる機会が足や腕に比べてはるかに少ないが、その役割の重要さは彼らにも引けを取らないと思う。

今までの感謝の気持ちを込め、腹筋に太陽を見せてやろうと決心した。




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