「ママ社員のマネジメント問題」
こんにちは。withworkの松栄(まつばえ)です。
先日5歳息子の運動会で思わず涙ぐんでしまいました。
「クラスで一番泣いて、まったく競技に参加できなかったうちの子が...!ちゃんと踊ってる!声も出してる!!」と。
胸が詰まって声も出なかったんですが、抱っこしてる1歳娘はそんな私の顔を、「ねぇ私ヒマなんだけど」と言いたげにバシバシ叩いてました。いやぁ〜容赦ない(笑)
さて、今日はママの職場を取り巻く環境で重要なポイントとして、「ママ社員のマネジメント問題」について書きたいと思います。
ママ社員のマネジメントノウハウを持ってるマネージャーって、なかなかいない?
正直なところ、ママが本当に働きやすい職場ってまだそんなに多くないなと感じています。その原因の1つに、「ママ社員に対するマネジメントが上手くいっていないこと」が挙げられます。
平成28年4月に、女性活躍推進法が施行されました。これを機に少しずつ女性マネージャーは増えてきていますが、まだまだ女性マネージャーは少ないのが実情。多くのマネージャーは男性です。
そして一方で、働くママが増えてきたのもここ数年で、自分のチームにママが1人いたことがあるかないか、といった状態がリアルなところでしょう。
つまり、ママをマネジメントしたことがあるマネージャー層って多くないんですよね。そしてマネジメントしたことがあっても1〜数人程度という経験値の少なさ。
そうすると出てくるのが「正直、ママをどうマネジメントしたらいいのかわからない」というマネージャー層の声です。
ノウハウを持っていないのに、検索してみても記事はあまりヒットしない。他のマネージャーに聞いてみても、自分のチームのママとはタイプが違うようであまり参考にならない。
となると、世のマネージャーたちは手探りでやってみるしかありません。初めてのことをすると、上手くいかないこともでてきます。誰だって。
「ママ社員のマネジメントやってみたけど、あまりうまくいかなかった。難しい。」
こんな気持ちを持ってしまっている方も多いんじゃないでしょうか。
苦手意識が芽生えると、距離をおいてしまうのが人間というもの。
そうしてさらに距離があいて、お互いを理解できなくなっていく。
なんて悲しい負のサイクルなんだろう、と私は思います。
マネージャーにお願いしたい、たった1つのこと。「もっと話をしてみてください」
もしあなたがマネージャーで、ママ社員のマネジメントに困っているなら。
もっとママ社員たちの話を聞いてみてください、と伝えたいです。
コミュニケーションが少ない中での、少ない言葉だけで、ママたちを見ないでほしいんです。
休みをとることや、早く帰ることに負い目を感じているから「できます!」と言ってしまっているのかもしれません。もっと仕事をしたいのに「時短だし迷惑かけることもあるから言いづらい」と思ってしまっているのかもしれません。
ママ社員の気持ちと仕事の任せ方をもっとちゃんとすり合わせれば、格段によい仕事ができたり、よい関係性が築けます。
もちろん、「いや、そんなのママ側から遠慮なく言えばいいじゃん」と思う方もいらっしゃるでしょう。でもその気持ちをグッと堪えて、話しかけて一歩、歩み寄ってほしいんです。
「任された仕事をちゃんとやり遂げたい、自分のせいで迷惑をかけたくない。」
多くのママは、そんな責任感をもって働いています。でも子どもの体調不良や事情は必ずしも親がコントロールできるものではありません。みんな、複雑な思いを抱えながら仕事をしています。
もし、どう話しかければいいのかわからないなら。
「あなたがもっとイキイキと不安なく働けるようにしていきたいと考えている。いろいろ聞かせてほしい。」
と話しかけてみてください。
またもし、家庭の話はプライベートだし、何をどこまで聞いていいかわからない、と思っているなら。
家庭の話も聞いてもいいです。
子どもは何歳で何人いて、保育園なのか幼稚園なのか小学校なのか。
旦那さんの帰りは遅いのか。普段の家事育児の分担はどうしているのか。
困ったときに相談できる相手はいるのか。
いろいろなママと話していて感じますが、家庭のことを全く聞いてほしくないという働くママは多くありません。それよりも、知っていてほしいことがあると考えているママが多いのです。
そしてぜひ、キャリアの話もしてください。
昇進昇格していきたいのか。それとも今はキャリアアップを目指さず、無理のない範囲で仕事をしたいのか。
子どもがどのくらい体調を崩しやすいかは個人差があります。乳児期はよく休んでいたが、4〜5歳になってあまり熱は出さなくなったから、もうちょっと仕事がしたいとか、そんな話もありえます。
今の状態は?そして将来的には?
そんな視点でいろいろ話をしてみてください。
難しいのは、子どもは一人ひとり違うし、その違いの振れ幅は大きいので、一概にこうがいい!とは言えないこと。
Aさんのお子さんはよく寝る子、でもBさんのお子さんは夜泣きが激しくてBさんはいつも寝不足、みたいなこともあります。
だから、一人ひとりに向き合って、話を聞いてほしいんです。
働くママに伝えたい、たった1つのこと。「勇気を出して話してほしい」
そして働くママのみなさんにも、私はお伝えしたいことがあります。
勇気を出して、マネージャーに自分を開示してほしいなと思います。
黙っていることもよくないんです。マネージャー側も手探りで、どうやって距離を縮めたらよいのか困っていることもあるからです。
「こんなこと言ったら評価を下げられるんじゃないだろうか。」
「プライベートの話を持ち込むべきではないのでは。」
「もっとやりたいけど、自分から言いだした手前、できなかったら申し訳ない。」
いろんな感情があると思います。
でも一番大切なことは、お互いに仕事の期待値をすり合わせることです。
今の状況はどうで、自分は何がやりたいのか。
状況が変われば、また相談すればいいんです。まずはその関係性づくりを、自分からも行うことが大事。
苦しい思いを抱えながら毎日我慢して生きるより、何もしないうちに無理だと判断して辞めてしまうより、一歩踏み出してみませんか。自分を苦しめているのは、実は自分かもしれません。
踏み出してみても、どうあがいてもダメだったら、そのときに職場を変えればいいんです。
ママ社員へのコミュニケーションで大切な「なぜあなたじゃなければいけないのか?」
マネージャーのみなさんへのお話に戻りましょう。
ママ社員に重要な仕事を任せたい、リーダーやマネージャーなど昇格をさせたい、という場合のお話もしておきたいと思います。
「昇格だから、きっとママ社員自身も喜ぶに違いない!」と思って
「おめでとう!これからリーダーよろしくね!」とだけ言ってしまうのは、実はよくないかもしれません。
ママ側からするとどうしても、「家庭との両立ができるのか、自分にできるのか」が頭をよぎります。両手をあげて喜べなかったりします。子どもの事情はアンコントローラブルなことも多いからです。
でも、嬉しい自分もいるのも確かです。
「自分の仕事ぶりが認められたんだ。自分という存在が求められているんだ。」
こんな気持ちはきっとあるでしょう。
こういう場合のマネージャーのみなさんにオススメしたいのは、「なぜあなたに任せたいのか」をしっかり話すことです。そして、今後もフォローはするよと伝えてほしいんです。
自分の何が評価されていて、何を期待されているのか。
それがわかればママたちはきっと、漠然とした不安から一歩抜け出して、安心と未来へのモチベーションを感じられるのではないかと思います。
あなた(マネージャー)自身が、短時間でパフォーマンスを出す人に
そして最後にもう一つ、根深い問題に触れておきましょう。
日本ではまだ時間評価が根強いことです。
私は多くのマネージャー自身が、短時間で成果を出せることを信じきれていないのではと感じています。しかしこれは、マネージャーが悪いのではなく、きっと環境によるもの。
時短ママ向けの事業を行っていると、「短時間で高いパフォーマンスを出す人と身近で働いたことがあるかどうか」の経験が、その人の価値観に大きく影響していると、ひしひし感じます。
そういった人は実際にいるし、実現可能なのですが、会ったことがないとピンとこないのは仕方がないかと思います。
もし、そんな短時間で高パフォーマンスの人に出会ったことないよ、という方がいれば。
ご提案です。
マネージャーのあなた自身が、短時間のトライをしてみませんか。
職場の事情で無理だよというのなら、1週間に限定してやってみるのでもかまいません。
実際、どう頑張っても時間は増やせないという条件下で短時間で働いてみると、仕事のやり方を工夫するようになります。個人のパフォーマンスは大きく変わってきます。
正直、とても必死になります。ちょっとした時間がもったいないなと感じるようになります。ムダな会議は即なくしたくなります(笑)
できない理由はいくらでも探すことはできます。でも、この挑戦があなた自身を成長させることは間違いない。本気で取り組めば、見える世界はきっと変わります。
ぜひ、一度チャレンジしてみてほしいんです。これは私からの切なるお願いです。
短時間労働は、きっと未来の日本のスタンダードになる
これからの日本は、人口が減り、労働人口が減ります。育児、介護、その他事情を抱えながら働く人の割合が増えるでしょう。長時間労働が一般的じゃない国から来たメンバーと一緒に働くようにもなるでしょう。
働く時間はもっと短時間に。
それがスタンダードになります。
そんな時代に向けて、少しずつ自分をアップデートしていきませんか。
まずは、コミュニケーションからその第一歩を。
ママ社員を部下に持つマネージャーの方も。ママ自身も。
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