夏を連れて部屋まで来た [0806日記]
冬のうちに買いだめした茶葉が、なくなる気配がない。ダージリンから凍頂烏龍茶まで、クーラーを効かせた部屋で湯気が立つマグをいつも片手に持っている。
昨日に続いて、盆踊りに参加した。民踊界のヒットチューンがわかったので、YouTubeで予習しておこうと思い立つ。気がつくと、鹿児島実業男子新体操部の演技を観ていた。興味関心にいつだって斜めからアプローチをかけるアルゴリズムが、愛しくて憎い。指先を反らせることを意識すると、所作が美しくなることはわかった。
男子新体操部から得たものは、大きかった。体が滑らかに動くのを感じながら、1曲踊りきる。櫓の横の簡易テーブルの方から、水分補給を呼びかける声がした。汗に濡れた髪が、頬にぺとりとくっつているのも気にせずに、紙コップに注いでもらった麦茶を飲み干す。夏の水分の覇者がいた。喉を通ってゆく冷たさが、抜群に心地よかった。
今ここで「水出しルイボスティーどうぞ」とか「ラプサンスーチョン冷えてますよ」と言われても、心から喜べない気がした。火照った体の隅々まで沁みてゆくのは、香ばしくて少し甘い飲み物がふさわしい。帰りしなスーパーに寄って、麦茶ジャンボパックを買った。夏の暮らしがやって来た。
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