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お誕生日を教えて下さい

 駅に置いてあるチラシを漁るのが大好きです。イベントとか、お知らせとか。この前出かけた帰りに、一枚のチラシに目がいきました。

 「夏の海」のようなタイトル。海の写真家の展示会があるらしい。これは面白そう。近くの百貨店でやっているようなので、行ってみました。


  我が市出身とのこと。ああ、思い出しました。展示数はあまり多くはなかったのですが、きれいな海の写真のパネルと、それとなぜか写真が掛け軸に表装されていて、不思議にマッチしていました。

 壁面2面と床にある大きなスクリーンに動画が写り、迫力がありました。集めた海のゴミもアートにしておられ、「こんなものがゴミに」と思いました。

  会場を出てからグッズを見ていて、カレンダーが気に入ったので、買うことにしました。お金も払って商品も受け取ったのですが、売り場の方が「作家の方が来られています。サインしていただきますか」と聞くのです。

  会場におられたあの方だなと思いました。お願いすることにしました。

 日に焼けていて、がっちりしていて、アロハのような服を着て、いかにも「海の男」という感じの写真家の方が出て来られました。

  そして、サインのために私の名前と一緒に、「誕生日も教えて下さい」と言うのです。渡されたメモ用紙に名前と「誕生年月日」を書きました。年は西暦の方が良いかなと思ってそうしました。

 するとその方はカレンダーの私の誕生「月」のところを開けて、そのページにサインをして下さいました。誕生「日」のところには、ハートを付けて。

 気さくな方で、少しお話しました。

 


 その場を離れてから、私はハッと気がつきました。「誕生日」の意味を理解しました。
おわかりでしょうか。
 そうです。誕生「月日」だけでよかったのです。「何年生まれ」は要らなかったのだ。間接的にですが、年齢を言ってしまいました。言わなくてもよかったのに。ま、いいけど。



 それと、もうひとつ。
 そのカレンダーは私は今年のかと思って、帰ってくると早速ビニールから出して(ビニールは捨てて)掛けるところを探しました。その後で、気がつきました。カレンダーは2024年、つまり来年のだということを。


 来年まで大事にとっておかなくちゃ。写真は本当に素敵です。



*画像はお借りしました。きれいですね。

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