自宅か施設か
少し前の記事になりますが、朝日新聞5月20日(土)別刷りbeより。
悩み相談コーナー。回答者は姜尚中さんです。
自宅か施設か
両親を特別養護老人ホームに入所させたことに罪悪感を感じている娘さんからの相談です。両親は「施設には絶対入らない」と言っていたけど、2世帯住宅で介護してきて、クタクタになり、コロナを機に特養入所。父は腹を立て、母は「帰りたい」と面会のたびに泣く。もっと自分が頑張れば良かったのか・・・。
それに対して姜尚中さんは、「あなたが罪悪感に苛まれる必要などない」と最初に言います。それは、悩みの根源が当事者にあるというより、制度や仕組みの欠陥、未整備によるから、と言っています。
さすが姜尚中さん。よくわかっておられる。そうです。「親の面倒は子どもが最後まで見るのが当たり前だ」という考え方は今は違ってきています。姜さんの言うとおり、もし在宅介護が充実していて、安心して生活できていたなら、こういうことで悩まなくてもよかったでしょう。
三人称の問題
そして、そこからの視点です。
問題の分け方って大事で、「それは誰の問題か」と考えることが大事と以前どこかで聞きました。今回もそういうことなのですね。三人称の世界に目を向けるべきと。
すぐに解決するわけはないけど、そう考えることで後ろめたさが少しでもなくなったり心の負担が軽くなるのでは、と言っておられます。
ご両親が80代になるまで介護されてきた娘さんを、誰が責めることができるでしょうという言葉からも。姜尚中さんは優しいと思います。この前も介護の問題で回答されていました。
施設に入るということ
ここで私がもう一つ言いたいことがあります。施設入所は全部いけないことか、ということです。ケアマネジャー時代、ご自宅での介護が難しくなり、施設に入られた方はおられます。今回と同じように、ご自分は住み慣れた自宅で暮らしたい。でもご家族は限界。
そんな時、もちろんご自宅で過ごす方法を一緒に探ります。それでも無理だった時、自宅で問題を抱えままお互いに疲弊するより、離れた方が上手くいくことがあります。介護のプロの集団です。その方らしく生活を送ることを考えてくれると思います。ご家族の方も離れた方が優しさを取り戻すことができることがあります。
いろいろな施設があることは事実です。施設選びは大切です。費用の問題もあります。(これが大きい!)でも、マイナスばかりでなく、選択肢の一つと考えていただけらと思います。
面会もできるところも増えてきました。
(写真は通りがかりの川の端で)
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