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お墓参りとヤモリ

お墓参りに行ってきました。

これは夫の行動次第。
車で10分もあれば行けるのに、
最近の夫は腰が重い。

今回も、「そうだな、明日行こう」と言ってから2日経った。
昨日、お花を買ってきていたから、今日は行かなくちゃ。

山の上にある公営の霊園です。眺めがいい。

同じ列のお墓は、ほとんどがちゃんとお花がそえてあって、「ほら、みんなちゃんと来ている」

自分のところに行ってみたら、ビックリ。
ひょろーんとした草が高々と生えていました。どんだけ来ていないんだ。1年ぶり?2年ぶり?

細い草は、ひょいひょいと手で抜けるけど、根が太いのは、夫が力一杯引っ張ってもどうしても抜けない。

仕方がないので、事務所からハサミを借りてきて、根っこを切りました。

周りを掃除して、墓石に水をかけてきれいに拭いて、お花を供えて、線香を焚きました。

小さな扉を開けて、鉢をどけて中をタオルで拭いたときです。中で、なにかが、スルスルと動きました。

「ひゃあ!」
びっくりして見てみると、なんとヤモリ。

出ていかずに、じっと隅っこに張り付いていました。

それで思い出したのです。
もう何年も前、祖父母や母が眠っているお墓に参ったときのことです。
お骨室の扉を開けたときに、ヤモリが飛び出してきました。

その時は、あのヤモリは母かも、と思ったのです。でも今回、またヤモリに会ったので、お墓を守ってくれていると思いました。

お墓には、夫の両親と 幼くして亡くなった息子ふたりが眠っています。夫の兄と弟です。

兄は、利発な子で、将来楽しみと言われていたそうです。3歳で、自家中毒であっという間に亡くなりました。弟は、赤ちゃんの時に、ハシカかなにかで亡くなったそうです。

きれいになったお墓を前に、とてもスッキリした気持ちになりました。
「よかった、よかった」


何だかグッときました。なんでだろう。
お仏壇に参るのとは、また違った気持ちでした。

夫も「また来るね」と言っていました。

それなら、もっと来たらいいのにね。
こんなに放っていてごめんなさいね。


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