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事を為す~安藤忠雄の仕事

さ、予告編通り、来ましたよ。安藤忠雄さん。
朝日新聞 12月24日〔土〕別刷りbe フロントランナー

早速写真は「青いリンゴ」の写真と一緒に写る、弾けるような安藤さんの81歳の笑顔でした。

タイトル写真は私が撮った県立美術館のものですが、
新聞のは、大阪にできた「こども本の森 中之島」にあるもの。
安藤さんは、私費を投じて、あちこちに子どものための図書館を作っています。
神戸、岩手・遠野、バングラディッシュの首都、ダッカにも計画され完成予定だそうです。

 なぜ子どものための図書館なのか。
それも含めて、記事から紹介していきたいのですが、
読んだら、なるほどと感銘を受ける言葉がたくさん。紹介しきれないかもしれません。
でも、やってみよう。

  安藤さんは大阪の下町育ち。
高校卒業後、独学で建築を学び、世界で活躍する建築家になります。

 読書の楽しみを知ったのは20代前半。
それが遅すぎたと後悔します。
文中より
「本から得られる想像力や好奇心の奥行きは、
建築など形から得られるものより桁違いに深い。
子どもの頃に触れないと、高められない」

「子どもたちを育む環境を、責任ある大人としてできる限りの環境を提供したい」

「本当の幸せとは光を遠くに見据えて、
それに向かって懸命に走る。
無我夢中の時間の中にこそ人生の充実がある」

だから「あれも面白い、これも面白い」という好奇心を磨くことだと言う。

そして、青いリンゴです。「永遠の青春」と名付けられています。
それを紹介する言葉。
「人間も国も青いままの方がいい。熟れたらおしまい。
青春のまま走る。覚悟と希望を持ってね」

 インタビューから
「(日本は)豊かになり、長寿が実現した。
ただ人生100年を目指す時に、元気で楽しく生きていられるかが大切でしょう」

「それには、好奇心と体力を持ち続ける努力が大切」

「現役世代や若者は希望を持てず、世代間格差から分断が深まっているように見える
 暗闇の中を歩いているようだけど、希望は自分で作らなければ」

「人間同士が出会うことでしか生まれないものがたくさんある」



 安藤さんは、瀬戸内海の島々を美しくすることに関わってこられました。
ベネッサの福武總一郎氏と、香川県・直島を現代アートの島にしました。

直島の地中美術館は安藤さんの建築です。


最後に安藤さんは言います。
「次の時代に受け継いでいけるものを作りたい。
 死んでも、魂だけは生き延びていくのが生命。
だから我々、青いままで真剣に生きないといけない」


【私】
安藤さんは盛んに「好奇心」と言っています。
「あれも面白い、これも面白いと好奇心を磨いていけば、
国や人の『老化』は防げる」

私は好奇心はあるほうだと思います。
あれも面白い、これも面白いといつも思っています。
でも、体力がない。
そっか、体力はつけたらいいのか。

 結局、この前から書いている「青いまま」というのは何なのだろう。
つまり、安藤さんが子どもたちに期待する、
「想像力と好奇心、挑戦する勇気と自由な発想、忍耐力」
といったものを持ち続けることなのかなと考えました。
 それが青春で、中高年になっても「青いままか」と確認する。それが大事と。


 そして、「次世代に何を残すのか」
安藤さんはそれも言っています。

 それで、今日のタイトルです。
私は考えました。
 安藤さんは、建築や子ども図書館やいろいろな活動をされてきた。
人生においてそれらを為しとげ、そして次世代に残していこうとしておられるのだなあと。


 人間は、何かを為し、何かを次世代に残していく。
一つの仕事を生涯かけて行ない、それが引き継がれていく。
お金がなくても真面目に必死に暮らしていく。その姿を子どもが目に焼き付ける。


 そんなに立派なことではなくても、
なんだかこんなことっていっぱいあるんじゃないかなあと思いました。

絶望ではなく希望と志を持って子どもたちのために力を注ぐ。
それをするのは大人の責任なんだよと安藤さんは言っています。

 私の為したことは何だろう。
私が残していけるものは何だろう。
 
 そんなことを考えました。

安藤忠雄氏、81歳。
がんを患い手術を繰り返している。
それなのに、この笑顔と意欲。

私、負けているではないか。負けられない。

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