見出し画像

読書日記『白い夏の墓標』帚木蓬生著~今に通じる恐怖

「読んだ本は全部記録する読書日記」たまっています。どの本も、読んでから時間が経ってしまいました。


本屋さんをウロウロしていて、見つけました。

「この本。本当に凄いぞ!!!」
「店長、大絶賛!!イチオシ!!」
帯にあった本屋さんの店員さんの手書きの推薦文に、つい、手が伸びました。

あらすじ


パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯教授は、見知らぬ老紳士に声をかけられる。かつて机を並べ、その後アメリカ留学中に事故死した親友、黒田についてあることを告げられる。黒田と過ごした二十数年前の仙台が蘇る。

感想


帚木さんの小説は読んだ事がありました。たぶん『安楽病棟』
認知症棟(まだ痴呆と言っていたかも)の話です。面白かった。

福岡のお医者さん。ドクターならではの、緻密な医療や研究の世界ですが、何とか理解は追いついていきました。

黒田の屈折した人生。秘密めいたウィルス研究。恋人とふたりでピレネー山脈を越えていくシーン。ここらはハラハラしました。ストーリーや構成も巧みで、一気に読んでいきました。

怖かったのは、人間や国家を脅かすウィルスの研究が行なわれているところでした。こんなことって、現代でもありえるのではないかと思ったら、ちょっと怖かったです。ネタバレか。

1983年に出版された初期(32歳)の作品です。山本周五郎賞を受けた『閉鎖病棟』は、鶴瓶さんで映画になったのを思い出した。帚木作品は、小説の醍醐味を感じます。これからも気にしていきたいです。


*ヘッダー写真、お借り致しました。
イメージで選びました。


推し言葉も凄かった

いいなと思ったら応援しよう!