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読書日記~東海林さだお「パンダの丸かじり」

久しぶりの「読書日記」です。読み終えているのに、書けていない本もあります。これは、たった今読み終えたところです。

言わずと知れた東海林さだおの「爆笑人気食べ物エッセイ」その文庫版。

実は、東海林さだおはどちらかというと苦手でした。何でかと言われてもわからない。ひとつの食べ物をくどいほどに掘り下げる、この文章の味付けがちょっと口に合わないような。一番には箸をつけないような。好んでは食べないような。

実はこれは、エッセイ塾の課題図書なんです。Amazonではなく、大型本屋さんで買いました。読まないわけにはいかない。

読み終わって。
さすがですね。読んでいるうちに東海林さだおの世界に引き込まれていきました。「ふふ」と鼻で笑ってしまった。爆笑ではなく、鼻から息が出る笑いです。三浦しをんさんと同じ性質の笑いかもしれない。

たとえば「葛湯の実力」では、葛湯を作る過程を細かく説明してくれる。心情描写とともに。

葛湯のトロミが示す抵抗。
この抵抗がなぜか嬉しい。
掻き回す速度がいつのまにかゆっくりになっている。
このゆっくりがこれまた嬉しい。

P48より引用

別にここが特別好きというわけではなく、どこを切り取っても笑える。感心する。
その他気に入ったのは、「蕎麦に栄光あれ!」では、蕎麦掻きと、もり蕎麦を対決させる。(蕎麦の歴史にも触れており、教養が漏れ出る)

 透明なコーラの話。(「アチーズ・ロウ」の日々)かけうどんのつゆが透明になったら、関東のうどんも関西も区別がつかなくなる。そしたら誰が困るのか。

この発想はなんなんだ!こんな展開、だれも思いつかない。少し種類が違うが、ヨシタケシンスケの笑いと似ているような気がする。唯一無二。

もしくは高田純次の軽さ。ちがう?

「週間朝日」は休刊になりましたが、この前から朝日新聞の土曜日、別刷りbeに隔週で連載が始まりました。大きな紙面を割いています。嬉しい人も多いと思う。

さて、ここからエッセイの神髄を学ばねばならぬ。ま、先生が教えてくれるでしょう。

        *****

今、わかりました!
東海林さだおが苦手な理由。それはイラストだ。

おっちゃんだったりおばちゃんだったりする、あのイラスト。うーん、なんだかなあ。落ち着かない。
好きな人は好きなのでしょうね。


本の帯の、うらのほう

この前、電車で読もうと思ったが、横の人に覗かれたらと思って躊躇してしまった。
 漫画家の東海林さだおさん、ごめんなさい。エッセイは好きになりました。


*ヘッダー写真、お借りしました。
気は張っていないパンダ。

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