ぼけ日和
読んだ本の感想です。
マンガ『ぼけ日和』 絵:矢部太郎 原案:認知症専門医、長谷川嘉哉。
この本、ずっと前からほしくて、この前やっと買いました。
認知症のお話です。登場人物は認知症専門の先生。
それぞれ、認知症を抱える家族が出てきます。
①お父さん、息子さん、お母さん
②おばあさんとおじいさん
③お義母さん、お嫁さん、息子さん
矢部太郎氏はあの矢部太郎氏。
って矢部さんは知っていますよね。『大家さんと僕』を描いた芸人・漫画家です。
認知症専門医の先生が原案ですから、認知症のことがよくわかるようになっています。
矢部さん作ですから、どことなくおかしく、どことなく切なくて、どことなく笑えます。
マンガの中で、先生が認知症について、どうなっているのか、またどうしたらいいのか、その家族にやさしく教えます。一般的に、間違って思われていること、または知らなかったことなども出てきます。
私からしても、この中に大事なこと、もっと知ってもらいたいことがたくさんありました。例えば
「モノ取られ妄想は、患者さんのお世話を一番している人、つまり最も頼りにしている人に対して出ます」
「認知症の要因は加齢」
「進行を遅らせることもできるので、ゆったり構えたらいいんです」
「家族は元気でいてほしいと思うもの。でも忘れるのを恐れてあれこれ聞いたりするのは不安を与えます。情報・安心を与えて下さい」などたくさんです。
矢部さんのほんわかしたマンガが、こちらもゆったりとした気分にさせてくれます。
介する立場からは、「わかっているけど、実際には怒ってしまう」というご家族もいらっしゃるでしょうね。でも、周りの心の持ちようで、本人の状態も変わってくるのですよと言ってもらえると、「解決の道はある」と思えて、ホッとするかもわかりません。
最後の方、おとうさん(夫)の顔を忘れかけているおかあさん(妻)
絵では、だんだんとおとうさんの顔が薄れて(忘れて)いきます。そして消えてしまいます。その場面で私は泣きそうになりました。
すぐに読めます。是非家庭に一冊。
矢部太郎ファンの私からの推薦でした。
(見出し画像は、私の好きな風景)