吉田美和子『単独者のあくび 尾形亀之助』
吉田美和子『単独者のあくび 尾形亀之助』を読む。
尾形亀之助が42年という短い生涯で刊行した3冊の詩集はすべて読んだ。詩に魅力を感じたならば、やはり詩人そのものにも関心が向く。
緻密な取材に裏付けされ定評ある評伝や、2歳違いである小林秀雄の詩情と比較する評論もある。でも、詩人みずから手がけた批評であり、放埒な尾形亀之助が寝転がり天井を見上げながらぼーっとする絵が思い浮かぶタイトルに惹かれた。
評論と批評は違う。評論は、「私」を含めず対象を分析し論を立てて語っていくのに対