【書評】エリック・ファーユ『プラハのショパン』
チェコやプラハときくと、訪れたこともないのに、懐かしくて、胸騒ぎがする。
まっさきに思い出すのは、ミラン・クンデラの小説『存在の耐えられない軽さ』。主人公テレザは写真家として1968年の「プラハの春」という、ソビエト連邦の戦車がチェコスロバキアの自由化運動を押しつぶす様子を撮影する。現実ではヨゼフ・クーデルカが撮影し、そのフィルムを西側に持ち出し発表したことで、後にクンデラ同様に亡命せざるをえなかった。祖国を追われた悲しみが写真集『EXILS』に結実している。
といっても