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出版社の紹介文もほとんど読まないまま、ためらうことなしに松永美穂『世界中の翻訳者に愛され…
間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』を読む。 不死の身体を手に入れた「わたし」が、ひとり…
書けない苦しみ。溢れ出る驚き。 のちに偽詩人と呼ばれた吉本昭洋は、いずれも味わった。詩人…
『悪童日記』三部作を読み、著者アゴタ・クリストフが、母語ではないフランス語で書くことの意…
読む本は、いつもゆくりなし。 先日来、「いま読書中」「一番の偏愛本かもしれない」という声…
「ネルーダ週間」も終盤にさしかかる。映画を観たり、詩集を読んだりしながら、参考文献を紐解…
小説・辻邦生、銅版画・山本容子『花のレクイエム』を読む。毎月一つの花を主題にした文学と銅版画の交歓。死が分かつ切なさを書いた短篇が多い一方で、銅版画は抑えられた色彩でも華やかさがにじむ。打ち合わせなしで臨むがゆえ起こる共鳴とずれのいずれも心地よい。お気に入りは五月のクレマチス。
またひとつ、静かな物語。 クラリッセ・リスペクトル『星の時』を読む。 舞台はブラジル・リ…
そう、こんな本が読みたかったんだ。 自分の好みを明文化しているわけでもないのに、そう思う…
ポール・ボウルズ『シェルタリング・スカイ』を読む。 調べると、2010年以来の再読。偏愛作品…
グレイス・ペイリー『人生のちょっとした煩い』を読む。 グレイス・ペイリーが生涯で3冊しか…
柴門ふみ『花の名前 向田邦子漫画館』を再読。柴門ふみが学生時代からの憧れを漫画にしたとき、向田邦子はすでに亡かった。小説やドラマとは違う物語の解釈や造形に私淑の深さを感じる。「思い出トランプ」収録の名作『かわうそ』も、厚子のくりくりっとした目と愛嬌が、漫画なのに向田邦子に重なる。