『ネルーダ詩集』田村さと子訳編
「ネルーダ週間」は続く。ようやく、本命である田村さと子訳編『ネルーダ詩集』を読む。
詩や詩人についての映画をいくつか観たり、南米チリの詩人パブロ・ネルーダが登場する映画『イル・ポスティーノ』や『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』を観て感心するのは、人々が詩を暗誦できることだ。食事などの集まりにおいて詩を披露したり、酒場で誰かが暗誦し出すと、周りでも一緒に声をそろえる。有名な詩を暗誦できることが、知性の証しのように描かれている場合もある。詩が生活のなかに溶け込んでいて、ああ、いい