歩くことと、言葉を紡ぐことは似ている——ハン・ジョンウォン『詩と散策』
拝啓
朝の冷えた空気を楽しんでいたのに、にわかに暑くなり、額のしずくをぬぐってみたら、汗ではなく雨粒でした。もう少し五月の風をうけさせてくれと祈るように雨空を見上げました。
雨では歩きに出るのにも億劫でしょう。張り詰めた気持ちは、すぐには緩められないと思います。しかし、そうやって歩くことはむしろ、身体の感覚を研ぎ澄ますかもしれません。そこで感じたことを言葉にしたとき、詩がうまれます。そんな、あなたの姿を思い浮かべながら読んだのが、ハン・ジョンウォン『詩と散策』というエッセ