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HSPに懐疑的だった私が、「私のことだ...!」と思ってしまった本

HSP(Highly Sensitive Person)はいわば繊細な人。泣いている人を見て自分のことのように悲しくて泣いたり、人の多いところにいると疲れてしまう、感受性高めの私はこのHSPの特徴にかなり当てはまってる部分が多いです。

でも、HSPは診断名でもないし、流行しすぎて言葉だけが独り歩きしたりビジネスチックに使われていることもあったりして、心理学徒の端くれでもある私は正直ちょっと懐疑的に見ていました。自分をHSPだと自称することもなかったし、「繊細さん」系の本も買ったことがありませんでした。
でも、ふと本屋さんで手に取った本、時田ひさこさんの『隠れ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』が私のこと書いてる?と思うくらい私にヒットして、びっくりしたんです。今回はこの本を読んで感じたことについて書きます。


HSS型HSP

この本が取り上げるのは「隠れ繊細さん」で、HSS型HSPとよばれる人たちのこと。HSS型HSPについては、本書内で以下のように書かれています。

共感能力が高く、繊細で傷つきやすい側面を、外向性、社交性、積極性、好奇心旺盛さという別の側面によって表面化しないようにカバーしている人たち

時田ひさ子『隠れ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』4pより

この本では、こうしたHSS型HSPの特徴に照らし合わせて、「やりたいこと」探しで悩む理由や強みの解説、自己分析のワークなどが紹介されています。

HSPについて積極的に調べたことがなかった私はこのようなタイプがあるというのも知らなかったのですが、このHSS型HSPの特徴を読んで当てはまっているなと感じました。特に、なぜ「やりたいこと」探しで躓くのかについて冒頭で書かれている
「感受性の強さ」を隠さなければ生きられなかった
「刺激を求める好奇心」と「まわりの反応に縮み上がる繊細さ」の両方を扱いきれない
という2点は、私にとってとても共感できる内容でした。

蘇ってきた記憶

そもそも、私は自分が結構繊細な気質だといういうことを忘れていたんですよね。なんとなく感受性が高いよね~と理解していてもそんなに深く意識していなかった。

でも中学生の頃などはそういった自分の側面で悩んで、恥ずかしいと思っていたんですね。一時期はいっぱいいっぱいになって「この時間は保健室に登校しよう」と言われている時期もあったし、だからこそ忘れていたのがびっくりなんですが。
なぜ忘れていたのかというと、やはり隠そうとしてきたからだと思います。それを私は、成長とともに「(気質が)改善された」ととらえて考えないようにしていたんですね。でも根本は変わっていなくて、”「感受性の強さ」を隠さなければ生きられなかった"という言葉を読んだとき、そういった中高生のときのいろんな記憶がよみがえってきました。

それに気づいたとき、まずは頑張って生きてきた自分をほめてあげたいなと思ったし、隠してきたことでわからなくなった部分があるなら、それを知りたいとも思ったんです。適応も大事だけど、たまにはありのままの感情も体感したい、「繊細さ」を脱ぎ着できるようになりたい、と思いました。

この本では、8つのフェーズに分けて「やりたいこと」探しで悩む理由とワークが設定されていて、この部分についてはフェーズ1:「いい人」になっているフェーズやフェーズ2:思考で答えを導き出しているフェーズについての記述とワークが役に立ちました。本当はどんなことを感じていたんだっけ?と思い出すきっかけをくれます。

適職?天職?

ちょうどこれからの進路についてちょうど考えていたところでもあって、適職とかあるんなら教えて~となげやりにも思っていましたが、この本には「この職業が向いています」ということは書いてありません。それがかえって信用できる部分だなとも思っていて。

それぞれの場所で、あるいは組織内でどんな役割をするのが向いているのか、どんな人と一緒にいるのがいいのか、などの視点で書かれていて小さなこと挑戦できるヒントがちりばめられています。正直、すぐにやりたいことがみつかるかといえばそうではなかったのですが、自己理解の上ではとてもよかった本です。
大きな変化を起こさなくてもできることがたくさん詰まった本だなと思います。

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