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ワーママ開業社労士が実際に経験した怪しい勧誘7選(前半)

社労士事務所を開業し、ホームページに電話番号を記載していると、まあ色々な勧誘や営業の電話がかかってきます。
また電話営業だけではなく、同業の社労士から怪しい自己啓発セミナー?に勧誘されることもあります。

ということで今回は、開業社労士が実際に受けた怪しい勧誘をご紹介します。

なお「怪しい」というのは私の偏見が入っていることがあります。
実際には素晴らしいサービスなのかもしれませんので、基本は自己判断でお願いします。


①社労士開業塾「あなたもセルフブランディングで唯一無二の存在になれるっ!」

社労士に合格したすぐあとに、「社労士 稼ぎ方」などのワードでネット検索をかけていた時に出会ってしまった社労士向け開業塾セミナーです。

本を出版したことのあるような高名?な社労士が、開業間もない社労士向けて開講する開業塾の勧誘セミナーに参加してしたことがあります。

高額な受講料を支払えば、開業ノウハウを指導しますという内容でしたが
「セルフブランディング」「唯一無二」というワードに寒気を覚え、お金を支払ってまでは教えを乞わなくてもまだいいか、と判断をして受講には至りませんでした。

後で知りましたが、これがいわゆる「ひよこ食い」という商法なんですね。

この開業塾がいいか悪いかは、結局私には分かりません。
必要だと思う方は、気にせず是非受講してみてください。

②自分の事務所への勧誘「私の事務所が事業拡大するから(不正に加担する)スタッフになって」

社労士開業塾には入会はしませんでしたが、上記のセミナーに参加した時に声をかけてきた当時30代くらいの女性社労士がいました(10年以上前のことです)。

その方はいかにもやり手のキャリアウーマン風で、女性ということもあり自分の将来を重ね合わせてついつい話を聞き込んでしまいましたが、
要は「自分の事務所を事業拡大し、新たに支店を開業したい。その支店をあなたに一任したいからスタッフになって」という勧誘でした。

社労士試験に合格したばかりの私は、こんな形で社労士業界に入れるなんて!!と一度は舞い上がったものの、待遇を聞いてそこも冷静に判断。
「もうちょっとマシな待遇の事務所はあるはず」と思って辞退しました。

数年後、助成金詐欺を働いたとしてその女性社労士が処分されたことを知った時は、心底「巻き込まれなくてよかった」と震えたものです。



社労士事務所のスタッフに勧誘されること自体は怪しくも何でもないのですが
私の場合は、簡単に言うことを聞く若い社労士が欲しくて勧誘されたのかもしれません。

ほんと、怖いですね!!皆さん、気を付けてくださいね。

③顧客紹介サービス「お客さん紹介するので、コピー機レンタル契約してください!」

この手の営業は、本当によくあります。
何度も何度も懲りずに電話がかかってきました。

正直、顧問先がまだ少ない時は、「どうせコピー機は必要だしな・・契約してもいいかな・・」と少し心が揺れたこともありました。
しかし、社労士法をよく調べてみると、このような顧客の獲得方法は実は「限りなく黒に近いグレー」になること、ご存知ですか?

社会保険労務士法 第23条の2(非社会保険労務士との提携の禁止)
社会保険労務士は、第二十六条(非社労士の社労士の名称使用禁止)又は第二十七条(非社労士の社労士業務の禁止)の規定に違反する者から事件のあつせんを受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。

社会保険労務士法

ここでいう「事件のあっせん」とは、何も個別労働紛争などを指すわけではなく、
「社労士のお仕事全般のあっせん」のことと読み替えてください。

この条項については、茨城県社会保険労務士会が以下のように解釈しています。

非社労士が社労士と顧客との間に立って契約の成立の便宜を図るような行為は禁止されています。
社労士が知人や取引先から顧客を紹介されるような場合は該当しませんが、社労士ではないのに社労士の名称を使用し、
あるいは「紹介」と称していても「実質的に」他人からの求めに応じて社労士業務を引き受けるなどのあっせん行為に対して謝礼やその他実質的な利益の授受がある場合は問題とされ、これを利用しようとする社労士は非難されることになります。


念の為この件について所属する社労士会に確認をしましたが、やはり茨城社労士会の見解同様、「グレーだから辞めておいたほうがいい」とのことでした。

特に開業当初は営業代行をつい頼りたくなってしまいそうになりますが、社会保険労務士法という大元の法律をきちんと理解して、法に抵触することのないよう自衛してくださいね。


④助成金申請代行依頼「弊社の機械を購入するお客様の助成金の申請代行をしてください!」

医療機器の販売会社だったか?忘れてしまいましたが、提携する社労士を探していると連絡がありました。

聞けば自社機械の購入に利用できる助成金申請を、顧客に代わって受けてほしいということでした。
要は販売会社が「うちの機械は厚生労働省の助成金の対象になるので買いませんか?もちろん、助成金の申請代行はうちの提携社労士が受けしますよ!」と言って、顧客に営業をかけるという手法のようです。

ここに提携社労士が出ていくと、③と同じ「非社労士との提携禁止」ですね。

販売会社は「助成金申請代行契約は弊社を挟まず、社労士の先生とお客様で直接契約の形を取る」と伝えて来ましたが、実質は同じなので、
このような勧誘は私は全てお断りです。

実はこのような業態でガッツリ業者さんと手を組んでいる社労士さんも実際にいるようです。
業者と提携して、数をさばいて手数料を受け取るというビジネスだと思います。

助成金の申請って、その会社のニーズは何か、なぜその機械が必要か、そして会社自身が助成金の主旨やリスク、要件を理解しているか、申請内容と実態が合っているかを、申請代行者としてもきっちり押さえておかないと進められないと思っています。

数をこなすと社労士も売上を上げることはできるかもしれませんが、社労士が申請代行者として名前を書く以上、リスクが高い商売の仕方です。

そのビジネスの是非を判断する立場ではないですが、このような勧誘行為と業態は個人的に「怪しい」と思っています。



少し長くなってしまいますので、残りは後半に引き継ぎます!


⑤【後半】自費出版商法「本を出してみませんか?(費用はあなた持ちで)」

⑥【後半】取材商法「取材させてください!(費用はあなた持ちで)」

⑦【後半】朝活セミナー「このメンバー同士仕事を紹介し合って皆で高め合いましょう!(あなたも紹介してね)」

以上、ご参考いただければ幸いです。



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