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【詩】彼岸花

胸に火炎の種を宿して産まれてきた
赤子の時は泣いて火の粉を散らし
成長するにつれて自分で消火し
胸の印を隠して生きてきた

あなたに出会った時
胸が疼いた
忽ち火炎が咲いて
私が私に目覚める

この身に抱えた毒と炎
胸に咲かせた彼岸花
手折って渡すと
あなたは紙のように燃えた

私は血と毒を滴らせながら
胸に次々と花開くのを抑えられない
あなたの灰を呑み干して
再生されることを願う

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