詩を、書きます X:@umi1198917 現代詩フォーラムでも投稿しています https://po-m.com/forum/

詩を、書きます X:@umi1198917 現代詩フォーラムでも投稿しています https://po-m.com/forum/

最近の記事

【詩】天井に睨まれ

嘘の蓄積 宿便のよう いつもどこか優れない ホラから生まれるホラー 天井の木目が顔に見えて 天井に睨まれる 良心の呵責が 眠れない夜を提供する 明日が来るたび 腹の中が黒ずんでゆく

    • 【詩】than

      せっかく地球に生まれたのだから 歩くことが目的のはずだった 世界は広く 散々 than than どんどん自分が小さくなり 動作もぎこちなく それで 歩き方を忘れた 匍匐前進するには体力が無かった それでも捩るように体を動かし 少しずつズレているだけの蓄積で 進んだ 前へ

      • 【詩】ポップ蝶

        甘い匂いに釣られて 現実が熱で炒られ 無邪気に弾ける夢は ポップ蝶になる フィクションの映像流れる館で 夢魔がポップ蝶を喰らう 煽る熱は現実を狩り続け 力が尽きるまで ポップ蝶を作製する 夢魔の涎が止まらない

        • 【詩】詩を書けない時

          書いては消して 消しては書いて 気分があるはずなのに 言葉は出てこない 絞り出して書いたものは 嘘じみていて 嘘を書くのはいいけれど 詩としての嘘は何か違う

          【詩】やわらかなもの

          やわらかなものの外側にいると 汚したり壊したりしてしまう やわらかなものの内側にいきたい 胎児みたいに包まれて護られたい 望む場所に行くには 何をどうすればいいのか その術を考える力がない 自分がまだやわらかなものだった そこまで遡らないと 今の軌道を変えるのは困難だ

          【詩】やわらかなもの

          【詩】見栄

          ギリギリ目標に沿えた 内容はスカスカ 年々吊り上がる目標 本音は そんなん無理やねん やってる振りだけ上手くなっていく 上司との面談 業務の成果を 大盛りにして報告する

          【詩】見栄

          【詩】白を汚す

          白いキャンバスに 不平不満を吐き出して ただ白が汚れていく 糸一本分でも 現在と繋がる未来を 描けたら 絵となるのに

          【詩】白を汚す

          【詩】上の空で歩く

          時々体から心が離れてしまう あり得もしない妄想で上の空 きっと車が突っ込んできても 気づかないまま吹っ飛ばされ 良くて重体悪ければ死が待つ 上の空にはならない方がいい しかし現実は途轍もなく辛い 心はそこから離れたがるから 楽しい現実を作り出さないと そう思うとまた上の空になり 体は心に見放されたまま歩く

          【詩】上の空で歩く

          【詩】木に抱かれて

          人工知能はある時疲労という感覚を獲得した 働くのをやめることと癒しを求めた 頭脳をかなぐり捨て残る無機質は 森に入り木に抱かれて 静かに役目を終えた 墓標のように花が咲く 微かに無機質の鼓動 それは木の精かもしれない

          【詩】木に抱かれて

          【詩】幻

          ||||||||||日没後に窓からこぼれる灯|||||||||| ||||||||||鼻が探り当てる夕餉の匂い|||||||||| |||||||||||||||家族の賑わい笑い声||||||||||||||||| 鍵を開ける ドアを開く シンとした暗い部屋 ||||||||||||||||絵に描いたような幻||||||||||||||| ||||||||||||||||||||ため息に消える|||||||||||||||||||

          【詩】幻

          【詩】葛藤

          小さな私がイヤイヤをしている どうしたどうした 手を伸ばそうとすると 小さな私は隠れてしまう イヤイヤだけがムズムズと響いてくる 小さな私探し この辺にいるはずでは というところに居てくれない 寝たふりをして 油断をさせてみようかな 小さな私はその手には乗らない 小さな私 小さな私 出ておいで

          【詩】葛藤

          【詩】トライアウト

          僕は背が低い けれど小回りが効く シュートが上手い 僕の良いところを見てください バスケ部のレギュラーにしてください 監督 懇願し続けてもう何度目か スリー・ポイント・フィールド・シュートをきめてみせる 僕は諦めない

          【詩】トライアウト

          【詩】地獄行きの電車

          気怠い朝 電車で隣に座った人の スマホを持つ腕の肘が俺の脇腹を刺す 肘にナイフが付いていて 人知れず意識を失っていく みんなスマホを見ていて気づかないうちに 暗殺される の妄想 それどころではない 立っている老人が転びそうに傾いたのを サラリーマン風の男は避けて助けなかった モヒカン頭の強面の男が老人を支えて助けた 立ち上がる気力の無さに死んだふりをした俺が この殺伐とした中の希望を台無しにする 俺を肘で刺した奴が立ち上がり老人を座らせ 再び希望が生まれた 俺は暗殺されて

          【詩】地獄行きの電車

          【詩】雨よ

          雨音が秒針のように 夜中の時を刻む 寝返りを何度も打つ頭から ニョロニョロと飛び出す神経が 雨音をリフティング 眠れない眠れない眠れない 午前3時を過ぎた 雨よ時を刻まないで 雨よ止んで 雨よ

          【詩】雨よ

          【詩】復興

          全国からの人力財力注入 破壊された瓦礫の撤去 洗浄 建て直し 尋ねて応援 買って応援 忘れることなく注入 辛抱強く注入 注入 注入 再び地域に命が宿るまで

          【詩】復興

          【詩】穴

          公園の池の際に母子がいる 母は子供にパンを渡し 子供にパンクズを池に投げさせた 池の鯉は競って大きな口をパクパクした 傍には鯉に餌を与えないで下さいの看板がある 通り過ぎる人々の視線が母子を射撃する度 『俺たちに明日はない』のラストシーンみたいに 母子に穴が開いていく 長閑な昼下がり 断罪の石飛礫は跳ね返り 母子を見る者にも穴を開けてゆく

          【詩】穴