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【詩】初めての孤独

私が小部屋に芽生えた時
異物と認知され
振動が私を排除しようとする
私は必死にしがみついた
繋がった血管からあなたを呑んだ
私はあなたなのだと
  血
  血
  血
唯一確かな繋がり
私はあなたになる

小部屋がだんだん狭くなり
私はあなたであることに成功した
穏やかな鼓動
私はあなた
あなたは私
一体だった
確かに
一体
だった

安定した幸せな日々は続かない

ある日小部屋に穴が開いた
今まで感じたことのない圧力
頭は押しつぶされ歪んだ
そして穴の方へ押し出されていく

パンッと音がした気がした
私の中に空気が流れ込む

オギャー

私はあなたから引き離された
私はあなたでなくなった
あなたは私でなくなった

もう二度とない安らぎの日々
忘れさせられて
私の初めての孤独が
辺りに響き渡った

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