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博士課程、やめてスッキリ
理系の博士課程2年の学生だった筆者だが、とうとう大学院中退に踏み切った。
主な理由として、メンタルをやってしまったことと、お金の問題が大きい。
メンタルに関してはこれまでの記事で書いてきたので、主にお金について書いていきたい。
ジリ貧の口座残高
博士課程に来てからというもの、口座残高がじりじりと減っていくのに気づいた。
思い当たる原因はいくつかある。彼女と遊ぶための交際費、自炊しなくなったことによる食費の増加、年金や税金、……。
特に年金と税金はなかなかこたえる。数万円単位でお金がどんどん飛んでいく。
このままでは、博士課程の3年分もつか分からない。しかも、きっちり3年で卒業できる保証もない。であれば、今の立場をやめる他ない。
口座残高の収支が取れないというのは、やはりメンタルに良くない。不安感が生じる。
人間、健やか且つ豊かに生きるには余裕が必要なのだ。
お金をもらう要件を満たせない事への不安
筆者の生活費は、大学内の博士学生育成制度から出してもらっていた。
この制度というのが、他の機関や研究者と共同で研究を進め、実際に実験する等して相手方の技術を学び取る事を要件としていた。
これは、少なくとも筆者には相当にハードルが高く、ついに満たせそうになかった。
お金を出してもらえる制度があるのは確かに良いのだが、そこにある何らかの代償や制約に注意した方が良いと思った。
踏み倒してお金をふんだくるというのも出来なくはないらしいが、要件を満たしてお金をもらうという形式上、満たせそうにないならお金はもらわないというのがスジだと思う。
よって、筆者としては、自分のお金だけを使って誰からも口出しされずに進めるのが、最も自由に研究を進めるための最良の方法だと思う。
博士課程の中退と就活について
まず、博士課程中退に対する所感を書く。
やはり、何といってもスッキリしている。上記のような不安から開放され、心と体が軽くなった。「これから何をしようかな」という、ポジティブな気持ちが強い。
中退に際して、先生からも様々なリアクションがあった。
教授からは、研究したい人にとってはなかなか破格な待遇で引き止められたり。
中退すると報告した他大の先生からは、改めて博士課程に誘われたり。
それらはまた別の機会に書こうと思う。
今はお金の問題から、なるべく早めに就職先を決めたいところなので、実際に動き始めている。
筆者を担当する就活エージェントによれば、中退すると最終学歴は修士卒になるので、第二新卒というか既卒っぽい立ち位置になるらしい。
まだ1社目しか見てないが、応募書類は自分の技能を問う内容が多く、新卒というよりは中途採用のような感覚だ。
個人的には、茶番だの嘘つき合戦だのと散々に言われる新卒の就活よりは、シンプルに能力を問われる方がやりやすいと思う。
人生の第一章が終わり、いったん幕間に入ったような気分だ。