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地方公務員の事業継続のコツとは

前回の続きです。地方公務員アワードのインタビューで、人事異動しても、自分の立ち上げた事業がどうして継続しているのか、そのコツ、事業化で工夫したことをうまく答えられなかったので、自分なりにまとめてみました。

(1)トップの意向に沿っている
(2)関係者を巻きこんでおく
(3)連携協定を締結する
(4)楽しめる要素を盛り込んでおく
(5)マニュアル等の引継ぎをまとめておく
(6)プライベートで参加を継続する
(7)ニコニコ、ハキハキ、感謝

(1)トップの意向に沿っている
これは当たり前のことなので、あえて言う必要はないのかもしれませんが。いわゆる総合計画のような組織全体の目標を把握しておくというよりも、首長がいつも何をメッセージとして発しているのか、こちらの方が大事だと思っています。首長のメッセージは、いうなれば業務指示と同じなので、トップの意向に沿っている事業であれば、上司も納得するし、担当者も安心して業務を担当できます。総合計画はあまり重視しなくてよいのか?という訳ではありませんが、考慮すべきは、総合計画のような計画ものを重視する首長であるか、ということですね。

(2)関係者を巻きこんでおく
この関係者というのは、外部の関係者、特に地域のキーパーソンということです。つまり、事業に地域キーパーソンが関係していて、そのキーパーソンが事業に積極的に関わってくださる方であれば、地域との関係性を重視する行政としては事業を辞めにくくなる訳です。つまり、事業化のポイントは、地域キーパーソンと、しかもなるべく多く連携できるのか、ということになります。

(3)連携協定を締結する
地域キーパーソンとの連携に似ていますが、この場合は先進的なサービス等を持っている企業や団体等と連携協定を締結する、ということになります。公務員はルールを重視するので、書面として連携協定書が残れば、後任の担当者としても、そこを協定の相手方との関係性を重視するようになると思います。企業側も目的があって行政と連携協定を締結しているので、当然、積極的に関りを求めてきますので、その対応をしていれば、自然と事業は進むようになります。

(4)楽しめる要素を盛り込んでおく
これは、そのままですね。後任の担当者もこの事業は楽しいと思えば、積極的に事業に取り組むわけで、面白い、楽しい、ワクワクするような事業にすることもとても大事です。何が楽しいかは人それぞれですが、多くの人が集まるようなイベント、お祭り、マルシェ系は、多くの人が楽しめる要素はあると思うので、人との関わりを上手く事業化に組み込むと良いと思います。

(5)マニュアル等の引継ぎをまとめておく
あまりにも難しすぎる事業や、何から手を付けて良いのか分からないような事業は、後任も不安になってしまいます。将来の見通しであるスケジュールや、具体的な業務内容が分かれば不安なく業務に取り組めます。あまりにも業務が俗人的で、この担当者しかできないように思わせるのではなく、やることが明確でハードルが高くないとと思わせる工夫が必要です。

(6)プライベートで参加を継続する
イベント系の事業であれば、ボランティアスタッフとして参加することができます。私は、地域クラウド交流会という、起業家のプレゼンイベントを産業振興担当時代に立ち上げましたが、人事異動後の今でもプライベートで関わっています。地方公務員に人事異動は必ずあるので、担当が外れた後でも、プライベートで参加することで、事業の関り、継続のフォローもできるようになります。プライベート参加は、最も分かりやすい直接的な事業継続の手法ではありますが、やや俗人的な部分がありますので、併せて仕組化を考えておく必要があります。

(7)ニコニコ、ハキハキ、感謝
前回のnoteでもご紹介していましたが、結局はこれに尽きるのかなと思いました。関係者を巻き込むのも、プライベート参加も、人間関係が大切なので、人としてのふるまい、礼儀などを大切にして、信頼関係を構築しておくこと。そうすることで、人事異動後であっても、後任がスムーズにその事業の人間関係の輪に入りやすくなります。地方公務員としての信頼関係が、事業継続のもっとも重要な土台、基礎であると言ってよいと思います。


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