第1章 VI-2 3)-6) 三元充足、身体は液体、巡揺、腎臓に「気」を送る
3)液体の身体、再び:
まず三元充足、丹田と両手のreference positionに身体のバランスを戻して確認。
三元充足という不思議な感覚、それは何であるか?
長い間、その身体論的意義は?と考えてきたが、次回エピソードで少し議論してみよう。
次に三元充足のイメージを脚の方にも、体幹部から頭部へも広げていく。
最初にも行った多元充足に移る。
多元充足の次は、「液体の体」のイメージの無限充足。
ゴム風船に水が入ってボヨン、ボヨンとした身体。
その液体の中をデンプンが溶けながらゆらゆらと下へ沈下していくイメージとともに体を前に倒す。お腹は凹ませながら。
4)巡揺:骨盤を左右に揺する-L領域から大腿関節のストレッチ-フラメンコ、フラダンスにも共通?
前方へ倒した上半身を半分中腰まで起こしながら、両手は回内して膝の上へ。したがって親指は外側になる。
この状態で骨盤や腰部を大きくゆっくり左右に揺するよう動かす。
腰だけではなく、上半身から頸部までもが捻れて、腰部をみる努力で同じ方向にストレッチがかかる。
例えば左に腰部を揺する時は、上半身は逆の右を向くのではなく、腰と同じ左の方向に頸椎や脊椎を撓らせる(リンクhttps://www.youtube.com/watch?v=ed5iu6QFMc4)。
このときイメージとして反対側の尻を見るつもりで揺するが、実際には自分の尻を見るのは難しい。脊柱を左右水平方向にしならせる感覚というべきか。この動きを左右に10回ほど繰り返す。
この動きは骨盤の大きな女性は上手に出来るが、総じて男性は下手である。
揺すったつもりが全く揺れていない。
左方向に振っているときは、むしろ右側の尻を左に押してやるつもりぐらいで丁度いい。
これも慣れると体が喜ぶ動きである。現代生活では椅子に座り、1日中動かず、こうした背骨や周囲の筋群の動きには全く縁がない我々の日常である。そうした現代人には最適の「不思議」な動きである。
身体を起こしてこの動きをすると、世界を代表する舞踊のフラメンコやフラダンスに共通する腰の動きであることがわかる。おそらく腸の動きや便通にも好影響が予想される。
体幹筋群図
下後鋸筋
腰方形筋
中殿筋
広背筋
外腹斜筋
腹横筋
5)L/S領域(仙椎神経領域)のストレッチ
首の回転から始まった回旋運動は、とうとう下肢まで及ぶ。
ここでは丹田から回旋しているイメージで、膝と足首を左右4回ずつ、計16回ほど回す。
(リンクhttps://www.youtube.com/watch?v=NIHupkwp26w)
そして膝をゆっくりと伸ばした後、その場にしゃがみ込む。
頸椎から胸椎、腰椎、膝と緩めてきた自分の身体を想い浮かべる。
足首、足の底、足指の先までイメージ、awarenessができたら、立ち上がる。
この稽古の意味は何だろう?なぜ繰り返し自分の身体をBody awarenessするのか?
実は次の対気稽古で相手の身体イメージを感覚する基礎として重要と考えられる。
自分の身体のBody awarenessの先に、相手の身体のBody awarenessもある。
この辺が現行生理学にはない東洋系身体の不思議な身体認識である。
6)またまた不思議-今度は腎臓に「気」を送る
ゆったりと立ち上がって、今度は背中に両手の平を当てる。
位置は肩甲骨の下の方。華輪で肩甲骨およびその周囲の筋肉群も緩んだので、比較的容易に手の平を背中に付けられる。
私同様高齢の方は硬くなって、背中に手が回らなくなる。
工夫の一つは、両手の指を肩につけ、肘でバンザイしながら回旋する。
最初は後ろ方向へ3回転、肩甲骨が上がる・下がる、開く・閉じる。序で逆回しで3回転。
肩甲骨、肩関節が緩んで、手掌を深い位置で背中に着ける。
この首から足首への旋回の一連の動作は、丹田に気を送る一元充足から始まった。
最後に背中に両手をあてて、腎臓に気を送る。
先ほどと同様に温めるような気持ちで背中をほぐす。
(リンクhttps://www.youtube.com/watch?v=7s-DJzg_Nxg)
手の平を置いたあたりは広背筋の下部にあたる。広背筋は僧帽筋の下方、背中全体を逆三角形にカバーする(Wikipediaでは広背筋の位置を立体ローテーションで見られる、リンクhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E8%83%8C%E7%AD%8B#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Latissimus_dorsi_muscle_animation.gif)
大きな筋肉のことを思いながら、背面から手掌で身体に働きかけよう。
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