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12月6日の日記
最低な夜だった
PM22:00
最寄りから2つ前の駅で降りて徒歩35分を缶ビールを片手に歩いた
なんだが自分に酔った映画の主人公のようで
少しだけ気分が良かった
好きな人の家に一人で帰った
AM12:00
帰るから待っていてと部屋の鍵を私に預けた彼は好きな女に会いに行ったまま帰ってこなかった
お酒を飲んで、タバコを吸い込んで
冷凍庫に入っていたアイスを取り出して一口も食べずに溶かしてしまった
AM1:00
終電が無くなった時間に少しばかり絶望する
まだ帰ってくるかもしれないとやんわりとした期待はあっさりと消えた
眠りについて、次に目が覚めた時に朝が来てることを願う
AM2:00
目が覚めてスマホの画面をつける
「9時に帰るよ」と彼からのLINE
あと7時間、いつまで耐えられるだろうか
次に不安が押し寄せてくるのはいつだろうか
朝になっていてくれと、眠りにつく
AM3:00
彼が帰ってくる夢を見て目が覚めた
1時間しかたっていなかった
昼間に彼と一日が過ぎるのはあっという間だねという話をした気がするが、撤回したい
一日は、いや、誰かを待つ夜は長くて果てしない
待った先に何も無いこと、なんとか保たれている情緒は一瞬で崩れることを知っていた
昨日の彼は機嫌が良かった
思えば、女に会いに行くことが決まってる日の彼はいつも機嫌が良くて優しかった
最低な夜が来ることを私はきっと知っていた
そんなことを思いながら文章を書いていたら
AM4:00
もう少し寝てみようか
朝が来ると願って
AM7:00
随分しっかりと寝れたようだ
しかし約束の時間まではあと2時間
重すぎる体と少々痛む頭を起こして布団から出る
換気扇の下でタバコを吸いながら惰性のように映画を見始めた
ただ、時間が過ぎて欲しかった
AM9:00
約束の時間、彼は帰ってこなかった
私はまだ映画を見ていた
AM10:00
彼が帰ってきた
「遅延していたんだ」と言いながら私の前にコンビニのアイスコーヒーとパンを置いた
その気まぐれな優しさが今日は特に痛かった
私は彼に何も言えなかった
AM10:30
「また今度話そう」
それだけ残して彼は仕事へ行った
AM11:00
私も彼の部屋を出た
アイスコーヒーは一口も飲まなかった
またこんな最低な夜と寂しい朝がやって来るのか
こんな気持ちはいつまで続くのだろうか