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詩『dictionary』

辞書を捲る音が響く
語源が空欄のままの見出し語
発音するたびに水面に華が咲く
棚の頭に虫眼鏡の焦げ跡。

群衆がさざめく校舎の外
次亜塩素酸が碧く光る水底
貴方が沈みゆく静寂の中
泡を立てて飛び込んだ。

香水の分子が漂う更衣室
同盟怠業を責め立てる白昼夢
言葉の意味を理解するためには
裸足で闇に咲くあざみを踏む。

辞書を捲る音が響く
付箋が貼られた見出し語
発音するたびに水面に華が咲く
網膜に映るぼやけた私。

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