詩『青の時代』
春と詐称された季節を背にしていた
部屋の中に浮かんでいる誰の疑問符も青くはない。
溜飲で灼けた喉は借り物の言葉しか話せないな
微苦い時間差の陰の中で眩しさを避けるだけ。
言語体の篩から溢れていく後悔のような雪が降る
定義域の外にあるもの 透明に描かれた熱いもの。
青い遮光カーテンで閉ざされた教室の縁で
待ち合わせ時間も忘れたまま 貴方を待つ 私を待つ。
正義の仮面は薄汚れている 闇を反射して煌めいている
磨きあうことに善悪はないから罅割れたって仕方ない。
逃げてと言われたからには逃げ出したくないな
浅はかな鼓動を抱き締めて 退屈な痛みに殺されて
蹴飛ばされて星になる遥か彼方の青さを見ていた。