インタビューで大切な4つのこと
オウンドメディアを通じて、企業文化を伝える有効な方法のひとつに社員インタビューがあります。本稿では、聴いて書くことを仕事にしてきたライターが、社員取材を例にしながら、インタビューで大切な4つのポイントを紹介します。
① 周到な準備から"聴く必然"が生まれる
インタビューは、とにかく準備が命です。同じ会社、知っている社員や事業だからといって準備を侮らないことが肝要です。準備の基本となるのは情報は次の3つです。
1. プロフィール
2. 担当する事業や職務の説明
3. 想定質問に対する事前アンケート
プロフィールを辿っていくと、その社員がどのような学問的背景を持ち、入社後にどんな経験を積んできたかが分かります。担当事業の目的と内容について改めて学び、その人がどのような仕事をしているかを理解します。そして、事前アンケートを作成すると、相手に何を聴くべきか(=どんなインタビューおよび記事にすべきか)がクリアになります。
そして、これらの情報を手元に置きながら、来たるべきインタビューに思いを馳せる時間をつくってください。すると、周辺のことにどんどん興味が湧いてきます。時間が許す限り、検索を重ねながら気になることを調べるのを楽しみましょう。
その時間は、なぜあなたがそのインタビューをするのか、必然のようなものへと導いてくれるはずです。
② 聴きたいワクワクが相手に安心感を与える
さて、迎えたインタビューの時間。まずは、今の気持ちを相手に伝えましょう。十分な準備の時間を過ごしたのなら、きっとインタビューが楽しみになっているはず。そのワクワクを相手に伝えるのです。
緊張をしているかもしれませんが、それも含めてお相手に伝えましょう。人は不安な生き物です。インタビューに答える方は「業務とは言え、自分の話はインタビューに値するのか?」「この人は本当に関心を持っているのか?」といった、不安でいっぱいです。
その不安を払拭するぐらいの笑顔で話を聞くことに対する高揚感を相手に伝えましょう。あなたの言葉は、インタビューを受ける方の気持ちを温かくするはずです。
③ あと一歩、相手に踏み込む勇気を
準備した質問項目に沿って聴いていけば、インタビューは7割がた成功です。では、残りの3割とは? あなたの心にある「モヤモヤ」とした気持ちを解消することです。
「これ、聴くと失礼かな」「見当違いの質問をすると呆れられるかも」「ぼんやりしているけど、あとで調べればいいかな」などなど。しかし、そういったモヤモヤ感が本質のサインであることが往々にしてあります。
思い切って聴いてみると「よくぞ、聴いてくれた」と話が一気に広がる場合があります。ですので、あと一歩踏み込む勇気を持ってください。その「もう一言」がインタビューを豊かなものにすることでしょう。
④ メンバーの力で"聴き高"を引き上げる
インタビューも終盤に差し掛かり、ある程度自分が聴くことがカバーできたかと思ったら、同席している他のメンバーにも「何か補足の質問はありますか」と振ってみましょう。
インタビュー中は緊張しているので、聞き漏れもありますから、カバーしてくれるでしょう。また、自分とはまったく異なる視点の質問も飛び出してくることもあるかもしれません。
みんながインタビューという場を共有しているのでどの質問も後で「聴いてくれてよかった!」となるはずです。こうして「聴き高」の高いインタビューとなるのです。
まとめ
しっかりと準備をして、相手を安心させて、聞きづらいことも勇気を持って聴き、仲間にもインタビューという場を共有する。
この4つがしっかりとできれば、かなり内容が深くて、濃いインタビューになると私は思います。
どうぞ試してみてください。
実は、実際のインタビュー準備では、上記の4つのポイントを含む10以上のプロセスがあります。そちらもまとめていきますので、関心のある方はフォローをお願いします。
【追記】こちらがその記事です。