養育費について思うこと②
私は未婚シングルで、同じ家族でも養育費を巡る男女の考え方の違いを面白いと感じている。母は支払ってもらって当然と考え、父を筆頭に男3人は「自分を娶らなかった男に施しを受けるなんて」と反対した。
とりあえず、娘の父親本人の考えを聞いてみようと、彼が就職した際に、家裁に養育費支払いの調停を申し立てた。
私は算定表に沿った額を負担してもらえれば充分だったし、向こうは養育費を払うのは当然と考えたのか、或いは逃げられないと観念したのか、そのあたりはわからないけれど調停は全くもめなかった。
しかし、いかんせん相手は初任給。収入差が大きくて、取り決めた養育費は微々たるものだった。彼もキャリアを積んだ今なら1、2時間のバイトで稼げる額だろう。
当時、弁護士の友人は「毎年、向こうの収入が上がるたびに養育費増額の調停を起こすんだよ。これは法律で決められた権利だから」とアドバイスしてくれた。
しかし、いくら権利だとしても現実問題として相手の収入が増えるたびに調停を起こす人はいったいどれくらいいるんだろう? 片親ということは資産家でもない限りまずフルタイムで働いている。私も働き盛りだったから、相手方の所在地の家裁に出向くより、自分が払っちゃったほうが手っ取り早くて一度も増額を依頼したことはない。
ただ、さすがに中高生ともなると教育費の桁が変わる。先日、何気なく「仕事も辞めたし、教育費も桁が変わったから、養育費の増額をお願いしてみようかな」と言ったら、両親が「そんな可哀そうな」とそろって反対した。
これには「へぇぇ、実の娘じゃなくて相手を可哀そうだとおもうのか」と驚いた。まぁ、私にはリアルライフでも彼には若気の至り以外の何モノでもないからなぁ…。
反抗期だ反抗期だと文句は言っても娘のいる生活はプライスレス。だけど収入は下手したら彼の方が倍はあるのに、毎月の教育費だけでも4倍も私が多く負担するのはヘンだよなぁ、と。
このいちいち養育している側が「養育費払ってください」「教育費がかかるんです。給料上がったでしょ?増額して」と申し立てるシステムはなんとかならんものかと。税金と一緒で、相手方に「払ってやってる」感が漂うではないか。
むしろ「ワタクシメが無責任なばかりにご苦労をおかけして申し訳ございません。せめてものお詫びにこのお金で子どものことをよろしくお願いします」くらい言われても、正直バチは当たらんのじゃないか?と思うわけで。仲の良いうちに、「万が一、子どもを相手方に育ててもらうことになった場合は、毎年収入の●%をお支払いします」とかって公正証書でも作っておけばよかった。
ゴルフ場でマイナンバーカード使う実証実験が始まったというニュースが出ていたけれど、その前に、養育費の支払いと連動させてくれるとありがたいのだけどなぁ。