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インター生活が始まった

元日に日本をたって早1週間。15歳の娘は毎朝「うわぁ~行きたくないよ~。どうしよう、どうしよう」と30回くらい連呼しながら登校していく。

これが当分の間続くのかと思うと、かなりウザい&ゲンナリするけれど、まぁ言葉のわからない国で、日本人どころかアジア人もいない中、一人で頑張っているんだからと表面上は優しいハハを演じている。

初日は「日本の学校は素晴らしい。〇〇小も〇〇中(母校の名前)もすごすぎる」と若干、興奮ぎみに帰ってきた。

なんでも自習が3時間続いたのだとか。「こっちの自習はやることの指示もなくて、ただ皆好き勝手におしゃべりしてるだけなんだよ。授業料取っているのにありえない」と。

授業は誰も聞いていなくて、先生が「転入生がいるのになんてこと。最初の印象が大事なのよ」と20回くらい注意していたけれど、みんなどこ吹く風。「この学校のレベルが低すぎるのか、海外の学校はこんなものなのか、そこを知りたい」。生徒数が少ないので複式学級があるのか、基本、黒板を使っての授業ではなくて、各自で教科書を勝手に進めるのだとか。

唯一静かなのは数学の時間なのだけど、高校1年生でも4X>12をグラフに書く練習とかしていて物足りず。図形は三角形をコンパスで書く練習をするんだそう。

どうせ言葉がわからないんだから、やることくらい簡単な方が良いんじゃないかなぁとハハは思うのだけど、「ここにいても伸びない」と娘はかなりガッカリしている。

そして目下最大の悩みはクラスメイトの話が早すぎて、何を言っているかさっぱりわからないこと。休み時間は教室にいてはいけないルールだそうで、友達がいないのに校庭で何をすればいいのかと、日に10回は問うてくる。(これもかな~りウザい。どうせ「〇〇は?」と言っても「そんなことしている人は誰もいない」とか文句ばかりなのだ)

バディ役の女の子には、どうみても30歳にしか見えないおじさんみたいな彼氏がいて、一緒にいるのも気まずすぎるんだそう。「〇〇中は留学期間中、バディの子がその子が困らないよう気配りしているのに、マルゲリータったら彼氏とイチャイチャばっかり。私のことなんて初日に移動教室の場所教えてくれておしまいだよ」。

クラスに女の子が娘を含めて4人しかおらず、ほかの3人は全員彼氏がいるんだそう。「みんな彼氏とイチャイチャしてるから、友達なんてできないよ~」と嘆いている。「はぁちゃんも彼氏作ったらいいじゃない」と言ったら「みんな絶対年齢詐称。おじさんしかいない。空港から送ってくれたUberの運転手さんにそっくりなんだよ。絶対に15歳じゃない」。誰か親切な男の子が娘のボーイフレンドになってくれたら、学校通うのも楽しくなりそうなのに、この性格。甚だ残念。

1つ年下の世話好きな女の子が話しかけてくれて、給食や昼休みは彼女がそばにいてくれるらしいのだけど「今日はその子、休むんだって~。最悪」と、この世の終わりのような顔をして出て行った。

部屋を探している間の仮拠点として借りたフラットが偶然、娘の通う学校の真ん前で、窓をあけると校庭が真下に見える。

私はといえば、暇にまかせて日に5度は校庭を眺めている。時々、クラスメイトとベンチに座ったり、体育でサッカーをしている娘の姿が見える。遠目だから表情まではわからないけれど。

15歳と比べちゃうと50歳の喜怒哀楽は500分の1くらいかしら?

「あぁ~行きたくない。ママも自分が通えばわかる」なんて文句ばかりだけど、行く権利もない身としては羨ましいな、と。

それにしても小学生のまぁなんと無邪気でにぎやかなこと。鬼ごっこやサッカーに励む子供たちの姿に、もう少し小さい時に連れてきてあげられたらよかったな、なんて思ったり。



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