両親揃っていなければという呪縛
第一三共の研究職の男性が妻をメタノールで殺害した容疑で逮捕された事件。発生当時から気になっていたのだけど、この記事を読んで考え込んでしまった。
結婚して早い段階から上手くいっていないことは明らかだったのに、「両親そろっているのが息子のため」と離婚は考えなかったという夫。
自殺か他殺かはわからないけれど、どちらにしても別れて夫婦どちらかがお子さんを引き取って育てた方が、お互いにとって幸せだったのじゃないかなと残念。
この夫だけじゃなく、ひとり親は子どもが可哀想だとか、世間の目を気にする人は多いのかもしれない。でも変に引け目を感じる必要は無い気がする。
私が未婚で出産するとき、母は近所で一番おしゃべりなカトウさんに「今度うちの娘が赤ちゃん産むのよ。彼氏とうまく行かなくて戻ってくるの。よろしくね」と挨拶していた。
長く実家を出ていた娘が、お腹が大きくなって戻ってきて、恥ずかしくないのかな?と心配だったのだけど、母は「こういうのは先手必勝。噂される前に言っちゃえばいいのよ。カトウさんに話しておいたから大丈夫」と。
カトウさんはおしゃべりさんだけど、気のいいおばちゃんなのだ。きっと悪くは言わないだろうと。果たしてその通りだった。娘は近所の方に随分と可愛がっていただいた。
心配しなくてもたいていの人はひとり親に優しい。
子どもも片親でも、いないものはいないと、あっけらかんとしている。親はいなくとも子は育つを体現してくれている。
もちろん両親揃っているのは素敵だけど、ひとり親も世間がいうほど悪くないとおもうのだ。